検索窓
今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:54,733 hit

10 ページ10

これも運動神経ですか?

あまりに素早い動きに、まずは感心してしまう。

好きじゃなくても、ドキドキしながら。

女子としては、王子様みたいな岩田さんに、

壁ドンされるなんて、願っても無いこと。

だけど、私の好きな人は、

この人じゃない。

『あの、私は、岩田さんのこと…』

ここで、はっきりと言ったら、

接客しにくくなっちゃうのかな。

「オレのこと…?」

至近距離で私の視線だけを捉える岩さんの目に、

いつもの可愛らしさはなくなっていた。

『あの…』

だんだん近づいてくる岩田さんの顔。

逃げなきゃ…。

「岩ちゃん、そこまで」

登坂さん!

まだ着いたばかりなのか、

ジャケットもサングラスもつけたまま。

登坂さんの顔を見て、ホッとする。

とたんに岩田さんの顔はいつもの優しい顔になる。

「あーあ。臣さん来るまでにオレのもんにしようと思ったのに!」

来るの早いよって言いながら、ニコッと笑って、

さっきまでの雰囲気はどこかにいってしまう。

「あ、そーだ。オレ、トイレ行くんだった」

ひらひらと手を振って、

岩田さんはトイレに入った。

「セーフ」

そう言って笑う登坂さんは、

やっぱり綺麗で、岩田さんの時とは、

比べようがないほど、胸が高鳴る。

登坂さん…。

『…いらっしゃいませ。お久しぶりです』

「岩ちゃんと、何してたの?」

『いえ、何も…。トイレの場所をご案内してただけです』

「ふーん。どう見ても口説かれてた感じだけど」

どんなに甘い言葉を並べられても、

それが、好きな人の発した言葉じゃなければ、

響かないのです。

『よく、わかんないです…』

「まあいいや。男と二人きりにはならないこと!」

『…わかりました』

「ん。…いい子にしてたらいいものあげる」

子ども扱いするなぁ。

『私、大学生ですよ?』

「ふふ。じゃあ、大学生用のいいものあげる」

『じゃあ、楽しみにしてます!』

「ん」

登坂さんが、私の頭をくしゃっと撫でる。

とても優しい笑顔で。

その笑顔がまた、私の鼓動を乱していく。

登坂さん、好きです。

優しくしてもらえるのが嬉しい。

こうして、話せるのが幸せ。

「行こ?」

登坂さんはテーブルに戻り、

私は定位置についた。

遅れて岩田さんがテーブルに戻る。

「大将。Aちゃんと飲んじゃダメですか?」

岩田さんが言った。

全員が聞こえなかったかのように、

岩田さんの方を見る。

11→←9



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (78 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
112人がお気に入り
設定タグ:登坂広臣 , 三代目 , 岩田剛典   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

みきてぃん(プロフ) - Koiruneiroさん» こちらこそーっ(>人<)いつもコメントありがとうございます!頑張ります( ´∀`) (2018年2月6日 10時) (レス) id: 6b77dae2b2 (このIDを非表示/違反報告)
Koiruneiro(プロフ) - みきてぃんさん、最高です(*^.^*)みきてぃんさん、ありがとうございます(。-人-。) (2018年2月5日 19時) (レス) id: a2840c445d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みきてぃん | 作成日時:2018年1月30日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。