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「お邪魔します」

きちんと靴を揃えて、

玄関でコートを脱いで、

装備を外していく。

結局私は、登坂さんを消せない。

パーカーとデニムだけになった登坂さん。

普段着だけど、 すごくカッコいい。

登坂さんのそばにいると、

熱があることを忘れてしまう。

紅茶の準備を始めると,

「病人はじっとしてないと」

そう言って続きをやってくれる。

『すみません』

「岩ちゃん、何もしてこなかった?」

『岩田さんですか?…会ってないです』

「え?あ、そうなの?」

『岩田さんも来てくださったんですか?』

あのお見舞いは、登坂さんが頼んで、

岩田さんが持ってきてくれたことを知る。

寝てたんだろうな、私。

寒い中持ってきてくれたのに…。

『岩田さんに、謝っておいてください』

「ん。でも、オレが頼んだことだから…Aちゃんは悪くないよ」

沈黙の時間が過ぎる。

そうだ。

手袋返さなきゃ。

『あの、登坂さん。実は手袋は今洗って乾かしている最中で…』

「洗濯なんていいのに」

『私、使っちゃったから』

「ありがとう…あ、無理しないで横になってて」

『すみません、じゃあ、お言葉に甘えて』

緊張して、あまりわからなくなってたけど、

そういえば少し、熱が上がってきたのか、

ボーッとする。

「昨日の…ことなんだけど…」

昨日、と言われてドキッとする。

私、調子に乗っちゃって…。

登坂さんにとって、どんな立場でもないのに。

あんなふうに、拗ねたりして。

なんだか、恥ずかしい。

「ほんと言うと、…謝りたくなかったんだけど。…あの時、オレとAちゃん、同じ気持ちだって思ってたから」

登坂さんはまっすぐ私を見て、

真剣な顔で言う。

同じ気持ち…。

え、同じ気持ち?

私は、登坂さんが好きで…。

登坂さんは…。

「でも、イヤだったとしたら、ごめん」

イヤじゃない。

とっても嬉しかった。

でも、私にとって、すごく意味のあるものが、

登坂さんにとっては、

軽くて、簡単で、よくあることみたいで。

それがすごく、悲しかった。

それだけ。

「カイロのお礼って言ったの、反省してる。テレちゃって、本当のこと言えなかった」

寝ている私のおでこに、

自分のおでこを当てて、

「まだ熱あるっぽい…」

登坂さんの目って、すごくセクシー。

ほくろのせいかな?

そんな目で見つめられて、

恥ずかしくて目を瞑る。

あ、ダメ。

そう思った時には、唇が触れていた。

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設定タグ:登坂広臣 , 三代目 , 岩田剛典   
作品ジャンル:恋愛
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みきてぃん(プロフ) - Koiruneiroさん» こちらこそーっ(>人<)いつもコメントありがとうございます!頑張ります( ´∀`) (2018年2月6日 10時) (レス) id: 6b77dae2b2 (このIDを非表示/違反報告)
Koiruneiro(プロフ) - みきてぃんさん、最高です(*^.^*)みきてぃんさん、ありがとうございます(。-人-。) (2018年2月5日 19時) (レス) id: a2840c445d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みきてぃん | 作成日時:2018年1月30日 3時

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