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居酒屋は18時オープン。
私はいつも、オープニングから働いている。
準備や仕込みは、大将と奥さん。
私と佐藤くんというバイトの子は接客だ。
今日は三代目さんの貸切。
当然、トップシークレット。
もちろん誰にも言わないけど、
いつも通り、
お客様のための接客を心がけてほしいって、
もちろんだよ、大将!
私だって、お給料もらって働いてるんだし。
三代目さんだろうがなんだろうが、
いつも通り、できる限りのおもてなしをするから、
安心して。
ー
そして、とうとう、夕方になり、
お店に行くと、バタバタと動き回る奥さん。
丁寧に調理する大将。
いつも通りの、開店準備に、
私も早速加わった。
「じゃあ、今日もよろしく頼むな?」
『はいっ。よろしくお願いします』
「おまえ、三代目のファンなんだろ?向こうが話しかけてきたら、話したっていいんだからな?」
『あはは。ありがとうございます。私なんて全く目に留まらないと思いますよ。会えるだけで幸せです!』
そっかー?って大将が笑ってる。
本当です!
こんな日に居られることが、幸せ。
入り口のドアが開く。
「こんばんは。大将お久しぶりっす!」
「あ、健ちゃん!入ってよ」
「お言葉に甘えて二人連れてきてん。あとから、もう一人来るけど、行ける?」
「いけるいける!きょうは貸切だから」
「すんません」
そう言って頭を下げるのは、山下さん。
すっごく釣りが好きな人らしくて、
私も何度か写真を見たことがある。
「いらっしゃいませ。どうぞ」
私は一人一人におしぼりを配っていく。
えーと、山下さん、岩田さん、今市さん。
…登坂さんはいないんだ。
だけど、良かったかも。
緊張して接客がぎこちなくなると、
お店の印象悪くなるもんね。
「大将のおまかせでやってもらっていい?」
「ん。わかった。なんか好き嫌いがあったら言って」
全員特に好き嫌いはないらしく、
大将のおまかせで、メニューを決めた。
お酒もかなり進んでいて、
三人ともけっこう酔っ払っている雰囲気。
「ごめん、トイレ」
岩田さんが立ち上がって、
キョロキョロと店内を見回す。
『あ、ご案内します』
私は岩田さんを連れてトイレに向かう。
「ありがと。Aちゃん」
え…?
私が不思議そうな顔をすると、
「あ、ごめん。馴れ馴れしかった?名札に書いてあるからつい」
『大丈夫です。…あ、こちらです。ごゆっくりどうぞ。私は戻っておきますね?』
「ありがとう」
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みきてぃん(プロフ) - Koiruneiroさん» こちらこそーっ(>人<)いつもコメントありがとうございます!頑張ります( ´∀`) (2018年2月6日 10時) (レス) id: 6b77dae2b2 (このIDを非表示/違反報告)
Koiruneiro(プロフ) - みきてぃんさん、最高です(*^.^*)みきてぃんさん、ありがとうございます(。-人-。) (2018年2月5日 19時) (レス) id: a2840c445d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みきてぃん | 作成日時:2018年1月30日 3時