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さて、神社にゴーだ。
弟の服のまま、
登坂さんはまだ
乾ききっていない自分の服を持って、
外へ出る。
「ごめん、借りた服、また持って来るよ」
え、すごいいい人!!
…とか言いながらマネージャーかなんかが、
手土産持って渡しに来るんだろうけど。
『それ、あげる!ってか、そんな大学生のお古、帰ったら捨てていいし。忙しいでしょ?』
弟にしたら、
まだまだ着れる服かもだけど、
無理やり着せといて返せとも言えない。
「そっか。オレ着ちゃったもんな。…何か新しい服買って来るよ。楽しみにしてて」
『いやいやいや、そんなお古が新しくなって帰って来るとか、わらしべ長者やないねんから。大丈夫、ほんとに』
ものすごいいい人やん。
意外すぎるわ。
横並びに歩く登坂さんと私。
最初は緊張したけど、
ときどき、
登坂さんがすごく可愛らしく笑うから、
その笑顔になぜか安心して、
いつのまにか友達みたいに話せてる。
すごく人気者で有名人なのに…。
急に登坂さんが立ち止まって、
私の手を取る。
『う…あの…何?』
「何って…繋ぎたかったんでしょ?…手」
う…。
いや、それはそうだけど。
てゆーか、そのセリフ、凄くいい!
だけど…。
『いやでも、写真撮られたら登坂さんも困るやん』
そう言うと、なんだか拗ねた顔して、
そっと手を離して、引っ込める。
え、やだ。
何その顔。
これじゃまるで、
私が悪いことしたみたいやんっ。
『私はいいんだよ?だけど、登坂さんが…』
ふいに両手を肩に置かれて、
動けなくなる。
しばらくじっと見つめられて、
息がしにくい。
だんだんと近づく登坂さんの顔。
えっ?えっ?えっ!
これって
これって
まさか!
慌てて顔を横に向け、
登坂さんの胸のあたりを押して回避する。
『ちょっ…なんで?』
「オレのこと、好きなんでしょ?」
『いやだからって!…軽っ!ウソやろ?チャラすぎるって、好きでもないくせに』
「てか、避けられたの初めてなんだけど」
『そらそーやろなっ!でも、イケメンやからってなんでも思い通りになると思うなよ?』
「なんでも思い通りになんてならねーわ。全部努力して叶えたんだ」
『…ごめん。そうかもしれんけど、今のは意味わからん。さすがに引く』
好きでもないくせにっ。
…って心の中でもう一度言う。
ふーんって拗ねた顔するのは、なんで?
子どもみたい。
「オレAのこと多分…好き」
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みきてぃん(プロフ) - mayukaさん» 最後まで読んで下さってありがとうございます。コメントを読んで、心からホッとしました。そしてとても嬉しかったです。皆さんの大好きな人を、どうかステキに書けますようにとドキドキしながら書いています。嬉しいコメントありがとうございました(*´ω`*) (2020年11月13日 3時) (レス) id: d217c89d49 (このIDを非表示/違反報告)
みきてぃん(プロフ) - ユキさん» コメントありがとうございます。今回、完成まで時間がかかってしまったので、コメント欄見るの、我慢してました。いつも楽しいコメントありがとうございます(*'▽'*)とても嬉しいです。ステキなお話が書けるよう、頑張ります! (2020年11月13日 3時) (レス) id: d217c89d49 (このIDを非表示/違反報告)
mayuka(プロフ) - あーー終わってしまいましたね…寂しい!!でも、happy endで幸せ(*´艸`)みきてぃんさんの臣くん大好きです!可愛いし意地悪だし、優しくて実際もこんな感じかなー。と。素敵なお話ありがとうございました(〃ω〃) (2020年11月11日 10時) (レス) id: 646b85d38a (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - みきてぃんさん» 完結お疲れ様でした番外編はあれば読みたいです(*>∇<)ノ (2020年11月11日 9時) (レス) id: 5f63e3cc55 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - みきてぃんさん» 臣君は肌の色が白いから白いポメラニアンのイメージですね(*≧∀≦*) (2020年8月17日 6時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みきてぃん | 作成日時:2018年9月25日 1時