リアル

☆46 ページ46

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あの日のことを、

忘れない。

一緒に住み始めて、

最初に、

オムライスを作ったあの日。

"これからもずっと一緒に、

美味しいものを食べよう！"

そう言ってくれたおみくん。

突然話があると言ったわりに。

…なんだかかしこまって座ったわりに。

向き合って聞いた言葉は、

美味しいものを食べよう！

だけど私は、

美味しいもの、

ずっと一緒に食べてくれるんだって

とても喜んで頷いた。

オムライスには

ケチャップで描いたスマイルマーク。

「こう言うのって、

つられて笑っちゃうよな」

そう言ったおみくんを、

とても愛しく思った。

毎日いろんなものを、

楽しく話しながら食べた。

おみくんが作ったカレーもうどんも、

本当に美味しかった。

たくさんたくさん、

美味しいものを食べて、

たくさんたくさん、

笑って。

今日、再び、向かい合って座ってる。

スマイルマークのメッセージカードに

"これからも毎日

美味しいご飯を作ってください"

そして、

私の薬指には、

誕生石のリング。

「A待たせてごめんね。愛してる」

おみくん！

おみくん…

ありがとう。

私、とっても幸せ。

『ありがとう、おみくんっ』

勢いよく抱きついた私を、

よろけもせずに受け止めて、

おみくんはにっこりと笑う。

「大事にするから、離れないで」

『当たり前やん！大事にするよ！離れへん！』

あー、おみくん！

しあわせ！

幸せすぎて…

「お腹減った！」

『私も！』

オムライスには今日もスマイルマーク。

つられて笑う、おみくんと私。

「実はさ、前のほら、ずっと一緒に

美味しいもの食べようってやつ、

あれ、プロポーズのつもりだった」

照れながら話すおみくんは、

とても可愛い。

『そうだったの？』

「あの時でも、OKしてた？」

『もちろんやん！私でいい？後悔しない？』

相変わらず自信はないけど…

「Aと一緒が、幸せなんだ」

おみくんがそう言ってくれるかなら！

ずっと笑顔で…

「『ごちそうさま』」





ーおわりー

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