まっすぐ、つよく

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「また、隆二と3人なら、会える？」

すっかり冷めたピザを食べながら、

臣くんが聞く。

『…わかんない』

「そーか。隆二、意外と嫉妬深いの？」

『あ、ううん、そうじゃなくて…』

今さら私が、

隆二くんになんて言えるだろう。

ごめんね、隆二くん、

私、隆二くんが好きだよって、

隆二くんに戻るの？

そんなの、無理だ。

「何ブツブツ言ってんの？Aはさ、いろいろ心配しすぎだから」

『心配っていうか…なんとなく、都合が良すぎて…』

「じゃあ、隆二のこと諦める？」

臣くんが顔を覗き込む。

『諦めたく…ないっ』

「じゃあ、仕方ないじゃん。臣くんにフラついてごめんなさいって、謝ったら？」

臣くん、完全に面白がってる。

会計を無理やり割り勘にして、

すっかりちゃんと、

いい友達になって、

私たちはお店を出た。

「頑張れよ、多分、大丈夫だって」

『うん…そうだと嬉しいけど』

「…送っていく」

『あ、いい！いいよ！臣くん』

「一人で返したら、隆二に怒られそうだけど？」

『大丈夫！…私の隣は、隆二くんの場所だから』

「ふっ…はいはい！わかりましたっ。…気をつけて帰れよ？」

『うん、ありがとう』

臣くんは、いつもと同じに、

片手を上げて、去って行った。

隆二くん…。

また私と、一緒にいてくれるかな。

それとも呆れて、

このまま離れちゃうのかな。

トボトボと家に向かう道。

一人で帰るのは、

こんなにも寂しい。

隣がポッカリと空いていて、

隆二くんの温もりも、

隆二くんの匂いも、

温かい手も、声も、

何もない左側。

隆二くん、今、何してる？

「Aちゃん！」

隆二くん？

大好きな声に振り向くと、

昨日と変わらない優しい笑顔。

『隆二くん、あの…』

「ストップ！」

話そうとした私を、

あわてて制して、

隆二くんは私の目の前に立った。

「Aちゃん」

名前だけ呼んで、深呼吸。

「はぁ。なんか、…緊張する」

『隆二くん、あのね…』

「あー、ダメダメ。待って！」

何を言おうとしてるんだろう。

姿勢を正して、私の目を見て…。

「Aちゃん！またオレと、付き合って下さい」

……！

隆二くん、隆二くんっ。

隆二くんはどうして、

そんなに…優しいの？

「どーせ、今、色々悪いように考えちゃってんでしょ？」

『それは…私が勝手だから…』

「ねぇ、返事は？臣のほうが、好き？」

少し心配そうに見つめる隆二くん。

私は、泣きそうで、顔を上げられない。

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