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☆★☆★

臣くんと別れた日の夢を見た。

あの日私は、心から笑ってはいなかった。

そして今思うと、臣くんもだ。

いい思い出にするために、

いい別れ方をしたように、

頭の中で書き換えていたんだ。

私は臣くんが好きだったし、

臣くんも、好きだと言っていた。

本心は、わからないけど。

とにかく私は、このモヤモヤした気持ちを

早くハッキリさせないといけない。

隆二くんが背中を押してくれたから。

もう会うことがないと思っていた臣くんに、

会うことができたのも、

何かの巡り合わせかもしれない。

私はまだ、臣くんのことが好きなのかな。

好きなのに、終わらせてしまった想いが、

無意識にグルグルと、

どこかでくすぶっていたのかもしれない。

臣くんと再会したことで、

その思いがまた、溢れてきたのかな。

臣くんがそばにいると、ドキドキする。

どうしてなのか、早く、確認しなきゃ。

昼休み、私は受付に向かった。

臣くんの来社予定を聞くためだ。

教えてもらえないかもしれないけど。

『あの…ちょっと教えて欲しいんですけど…』

「A!」

名前を呼ばれて振り向くと、

この前とは違うスーツの臣くん。

営業マンって感じ…。

「あの…」

受付の女の子が、遠慮がちに呼びかけてくる。

『ごめんなさい。やっぱり大丈夫です』

そう言うと、頭を下げて仕事に戻る。

『今日も商談?』

「ん、てか、書類持ってきただけ」

『そっか。あのね、ちょっと話したいことがあるの。…空いてる日はある?」

そう言うと臣くんは、

一瞬びっくりしたような顔をした。

でもすぐに、にっこり笑って

「いつでも!今日は、18時終わり、行けそうならそこからでも」

『じゃあ、今日で。ありがとう!』

「初めてじゃん!Aが誘ってくれるの。隆二も一緒?」

あー、そっか。

『…今日は二人!どこにいたらいい?』

「どこ行きたい?」

どこ…。

どこでもいいんだけど。

「じゃあ、このビルの向かいのパスタ屋さんでもいい?」

そう言うとさらにニッコリ笑って、

「オッケー!じゃあ、オレなるべく早く終わるように頑張るわ」

『いいよ。ふつーに、頑張って』

「待たせたくないから」

『大丈夫!終わったらLINEして。それまでは会社にいるから』

「…そっか。わかった。じゃあ、後で」

臣くんは受付に書類を預けて、

じゃあ、って右手を上げて去って行った。

ほらね、ドキドキする。

なんでだろ。

私、本当に嫌な感じ。

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設定タグ:登坂広臣 , 今市隆二   
作品ジャンル:恋愛
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みきてぃん(プロフ) - Koiruneiroさん» いつもコメントありがとうございます。なかなかうまく書けないんですけど、そんな今だから書きまくろう的にやっちゃってます(°▽°)またよかったら、暇つぶしがてら読んでくださいね(;ω;) (2018年9月25日 1時) (レス) id: 73c128cc01 (このIDを非表示/違反報告)
みきてぃん(プロフ) - ユキさん» 岩ちゃん、映画もあって忙しいですもんね。体壊さず頑張って欲しいです(´∀`) (2018年9月25日 1時) (レス) id: 73c128cc01 (このIDを非表示/違反報告)
Koiruneiro(プロフ) - 幸せな時間でした(^ー^)やっぱり、今市さん好きなの再確認出来て嬉しかったです☆ (2018年9月21日 7時) (レス) id: c51d9e3401 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 京セラ来年の2月からですねそれまで体調には気を付けてないとですね今日ウルトラMステ見ました岩ちゃんライブの後歌番組出たから体調には気を付けて欲しいです(^^) (2018年9月17日 22時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
みきてぃん(プロフ) - ユキさん» 全部買ったんですねー(*´Д`*)いーなー。友達のタイムラインにやたらとライブ会場の写メが載ってて羨ましかったです( ;∀;)次は行けるといいなー( ´∀`) (2018年9月16日 23時) (レス) id: bdf38f5bbc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みきてぃん | 作成日時:2018年8月29日 2時

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