まっすぐ、つよく

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窓から差す日の明るさで、

私は目を覚ました。

なんでも言ってね。

そう言ったくせに。

言ったくせに…。

私はいつのまにか

寝てしまっていたらしい。

起きたらもう、

寝ていたはずの隆二くんがいいない。

どうしよう！！

今日は土曜日。

時々土曜日も仕事の隆二くん。

まさか、寝てる間に仕事に行ったんじゃ…。

キョロキョロと部屋を見回す。

ワンルームなのに、

姿が見えないってことは、

やっぱり仕事？

どうしよう！

熱は？下がったのかな？

私の肩には隆二くんが使っていた

大きめのタオルケット。

結局私は、迷惑しかかけていない。

このまま、部屋にいたほうがいい？

少しだけパニックになって、

頭の中で考えを巡らせていると、

後ろから隆二くんの声。

「おはよ。ごめん、シャワーしてきた」

『あ、…おはよう。私、寝ちゃって。ごめんね』

ほんと、お見舞いに来て、

看病するはずが、

ちゃっかり寝てしまってるなんて、

穴があったら入りたい。

「いいよ。寝顔見れてラッキー！可愛かった」

隆二くんて、どうしてこんなに

私がテレるようなことばかり言うんだろう。

恥ずかしいけど、嬉しい。

『私だって見たもん、隆二くんの寝顔！可愛かったよ、隆二くんも』

私はここで、負けず嫌いを発動してみた。

隆二くんの寝顔は、

確かに可愛いかった。

でも、昨日はすごく苦しそうで、

見ていられないくらいだった。

「そー。オレ、可愛かった？じゃあ、毎日見てくれてもいいんだけど」

毎日って！

見るのはいいけど、

見られるのが恥ずかしいよ。

『…あ、そうだ。熱、大丈夫？』

「ん。ありがとう。薬飲んだからかな？かなり良くなった」

『よかった！怖かったんだよ。隆二くん、すごく熱くて』

「心配かけてごめん。来てくれてありがとう。嬉しかった」

隆二くんの手が、ほっぺを包む。

そっと顎を持ち上げて、

隆二くんの顔が近づく。

私はゆっくりと目を閉じた。

隆二くんの唇はとても柔らかい。

「オレのこと、好きになってくれた？」

抱きしめられた肩越しで隆二くんが囁く。

『うん…隆二くんのこと、大好きだよ』

その言葉を合図に、

隆二くんは腕に力を込めて、

そして、なんどもキスをする。

「彼女になってくれる？」

その言葉に、ためらいなく頷く。

私は、隆二くんが好きだ。

『…よろしくお願いします』

この日私は、

隆二くんの彼女になった。

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