第93夜 ページ4
『．．．』
―・・・！―
―・・・が・・なら・・・・一緒・・よ―
―なあ・・・・・してる・・―
声が、聞こえる．．．。
誰？
誰を．．．私を呼んでるの？
―・・な！・・・で・れ！―
―・・ア・―
痛いよ．．．っ。
頭が割れる．．．。
『．．．っ』
「A．．．？」
痛い痛い痛い痛い痛い！！
頭が割れるっ！！
止めて！
呼ばないで！
止めてよ．．．っ！
「A！！」
『．．．！』
耳に届いたのは私を呼ぶ声。
弾かれたように目を開けると、心配そうな顔をしたラビがいた。
『ラビ．．．？』
「大丈夫か？
魘されてたさ．．．」
バクバクと早鐘を打つ心臓。
頬と背中を流れる冷や汗。
未だに痛みを訴える頭。
僅かに歪む視界に気持ち悪さが込み上げた。
「！．．．A？」
飛びつくようにラビの首に抱きついた。
他の人たちは驚いたように目を見開いていたけど、リナリーは心配げに私を見つめて、ブックマンは意味ありげな視線を寄越した。
でも正直それらに対応するつもりも、そんな余裕もない。
「どしたさ？」
ラビは私を軽々抱き上げて膝に乗せる。
『声が、聞こえるの．．．』
「声？」
『誰かが、呼ぶの．．．。
誰かを．．．私を呼んでる』
「A．．．？」
『痛い、頭が割れるみたいに痛いの．．．っ。
知らないはずの声なのに。
ちゃんと、上手く聞き取れてないのに．．．。
誰？分からない。
でも私を呼んでる．．．っ。
痛いっ。
呼ばないで、いやだよ。
やめてよっ。
私じゃない。
その名前で呼ばないでっ私じゃないのだってそれはその名前は．．．！』
「A」
『．．．っ』
上手く息も出来ないまま矢継ぎ早に言葉を紡ぎ続ける。
それを制するようなラビの声がストンと耳に入った。
一瞬息が詰まるも、鼓動が落ち着き始めた。
「大丈夫、大丈夫さ。
色々あって頭こんがらがってるだけさ。
大丈夫。
ほら、ゆっくり息してみ？」
言われた通りにゆっくりと息をする。
大丈夫、大丈夫と背中を擦られ、徐々に瞼が重くなる。
「A、まだ時間はあるさ。
ゆっくり休もう．．．」
『．．．ん』
そっと目を閉じると、あっという間に意識が暗闇に落ちた。
「大丈夫．．．大丈夫さ。
俺が傍にいるから。
な？
A．．．」
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SHINKAI(プロフ) - みれいさん» みれいさんこんにちは^ ^中々時間が見つけられず、コメントを返すだけで精一杯で申し訳ありません。ですが、近いうちに必ず更新しますので、お待ち頂ければ嬉しいです。皆さんのコメントにいつも励まされています。 (2019年6月12日 9時) (
レス) id: 1540b5aafe (このIDを非表示/違反報告)
みれい(プロフ) - いつの間にかもうここまで来てるとは…続き出してください！お願いします！ (2019年6月11日 18時) (レス) id: 10b36c83ed (このIDを非表示/違反報告)
SHINKAI(プロフ) - 名取針子さん» ありがとうございます！そのお言葉で頑張れます。 (2019年4月4日 7時) (レス) id: 1540b5aafe (このIDを非表示/違反報告)
名取針子(プロフ) - 面白い作品ありがとうございます！読み出したら止まりませんでした！これからも応援してます！ (2019年4月3日 23時) (レス) id: bef144ed2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHINKAI | 作成日時：2019年1月27日 14時
