第91夜 いざ江戸へ ページ1
『．．．』
「変わりはないか、A」
ギィと、扉を開き入ってきたのはブックマン
『うん．．．もう大丈夫だよ
イノセンスもちゃんと馴染んでるみたいだし
心配掛けてごめんね』
「．．．」
ソファに腰掛けたまま答えたAに、ブックマンは訝しげな視線を送る
しかしAはそれに気付きながらもなんの反応も示さなかった
「．．．じき、船も止まるだろう」
『うん』
彼はそれだけ言うと静かに部屋を出ていった
のだが、何故か閉まった扉がまた開かれた
『．．．ラビ．．．？
どうしたの．．．』
入ってきたのはヘラリとした笑顔のラビだった
「ホントはゆっくり休んでもらう為にもこないほうがいいと思ったんさけど．．．
さっきジジイと擦れ違って傍にいてやれて言われて」
『．．．そっかぁ、ありがとう』
「リナリー達も心配してた
まだしんどいか？」
隣に座ったラビの肩に頭を預け、一息置いて話し始める
『んーん、もう大丈夫だよ
ただ少し．．．頭が痛くて』
「そっか．．．
なぁA、よかったな」
ラビはすぐ横にあったAの右手をするりと撫でると指を絡めギュッと握る
『！．．．うんっ！』
「おわ！」
Aは繋がれた手をそのままにラビに抱きつく
突然の事でラビは体勢を崩し、Aに押し倒されるような形になる
『ねえラビ、私頑張ったよ．．．
痛くて苦しくて悲しくて．．．それでも頑張ったの』
「．．．おう
頑張ったさね、A．．．」
ラビは優しくAの額に口付ける
『ラビ．．．？』
上に乗るAの肩をゆっくりと押す
そのままソファに横たわらせ上に覆いかぶさるようにしたラビ
Aの顔の横には繋がれたままの右手と左手
ラビは空いた右手で白い頬を撫でる
「A．．．」
ラビはゆっくりとAに顔を近づける
『．．．』
桃色の唇があと数センチに迫った
『ラビ．．．
．．．時間切れ』
「は？」
ラビの目に楽しげに笑うAが映った時
「ラビ、皆が呼んでるであるぞ」
控えめなノックの後に聞こえたのは聞きなれた男の声
『ほら、いこう』
Aはラビの肩を押しやり立ち上がると、一直線に扉に向かう
開いた扉の向こうには、案の定クロウリーが立っていた
「．．．く、くっそぉぉおおおっ！！！」
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SHINKAI(プロフ) - みれいさん» みれいさんこんにちは^ ^中々時間が見つけられず、コメントを返すだけで精一杯で申し訳ありません。ですが、近いうちに必ず更新しますので、お待ち頂ければ嬉しいです。皆さんのコメントにいつも励まされています。 (2019年6月12日 9時) (
レス) id: 1540b5aafe (このIDを非表示/違反報告)
みれい(プロフ) - いつの間にかもうここまで来てるとは…続き出してください！お願いします！ (2019年6月11日 18時) (レス) id: 10b36c83ed (このIDを非表示/違反報告)
SHINKAI(プロフ) - 名取針子さん» ありがとうございます！そのお言葉で頑張れます。 (2019年4月4日 7時) (レス) id: 1540b5aafe (このIDを非表示/違反報告)
名取針子(プロフ) - 面白い作品ありがとうございます！読み出したら止まりませんでした！これからも応援してます！ (2019年4月3日 23時) (レス) id: bef144ed2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHINKAI | 作成日時：2019年1月27日 14時
