第５１夜 ページ8
「死に場所なんて．．．悲しいこと言わないで」
ぽろぽろと流していた涙を止めたアニタさんが
下を向いてポツリと呟いた
『．．．．．．』
「死に場所だなんて．．．」
「貴女は今生きてるのよ．．．」
「今こうして私の前に立ってるの」
「そんな悲しいこと．．．言わないでっ」
『アニタさん．．．』
「．．．私はいやよ」
「こんなに優しい貴女がそんなことを考えてるなんて」
『え．．．』
「私のことを心配して来てくれたんでしょ？」
『．．．ハァ．．．』
『なんの役にも立ちませんでしたけどね』
「そんなことないわ．．．」
「貴女がここにいてくれるだけで」
「それだけで私は酷く安心するもの．．．」
『．．．私．．．ほんとはもっと
普通の女の子として生きてみたかったんです．．．』
『呆れちゃうくらいに普通の一日を過ごしてみたかった』
『普通に同い年の子と遊んで．．．』
『普通に誰かを好きになって．．．』
『そんなありきたりで、幸せな”普通”をやってみたかった．．．』
「Aちゃんっ．．．」
優しく抱きすくめられる
『こんなこと考えるなんて私、可笑しいかな？』
「そんなことないわ．．．そんなことないっ」
抱きしめる力が一層強くなる
女性からは止まった涙が溢れ出した
少女の涙は．．．
『．．．．．．』
流れていなかった．．．＿＿＿
．．．．．．．．．．．．
『ごめんなさい．．．こんな夜遅くまで』
「いいのよ、私こそ．．．」
『．．．あーぁ』
「．．．？」
『結局アニタさんのこと励ますことも出来なかったなぁー！』
少しぎこちない空気を払うように
わざとらしくしょげて見せる
「．．．！．．．充分な位勇気はもらえたわよ？」
一瞬目をぱちくりとさせるが
すぐに笑って答える
『．．．じゃぁ、最後に一言キメさせてもらおっかな』
「．．．？」
『アニタさん．．．』
『あいつは私達を置いていかないよ』
「．．．！」
あいつ、とはきっと生死不明のあの人のこと
『人間としてクズだけど！』
『自分の為に泣いてくれる人がいて．．．』
『あいつが勝手に死ぬわけない．．．』
「．．．．．．」
『ね．．．？』
「．．．えぇ．．．！」
今度は泣いたりせずにちゃんと笑顔で
優しい優しい、この子に答えるための
とびきりの笑顔で
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SHINKAI(プロフ) - さん» その言葉が私めの原動力でございますー！！ (2018年10月4日 18時) (
レス) id: 1540b5aafe (このIDを非表示/違反報告)
- 面白かったです〜。更新頑張ってくださいねぇ〜〜! (2018年10月4日 17時) (レス) id: c9ef7ad056 (このIDを非表示/違反報告)
SHINKAI(プロフ) - 零斗さん» 有難きお言葉ですー！！更新頑張りますっ！ (2018年9月22日 12時) (レス) id: 1540b5aafe (このIDを非表示/違反報告)
零斗 - とても面白かったです！これからも更新頑張って下さい！ (2018年9月21日 23時) (レス) id: 300461bf22 (このIDを非表示/違反報告)
SHINKAI(プロフ) - 雪見だいふくさん» えっ、えっ…めっちゃ嬉しいです…ありがとうございますっ！頑張ります！！ (2018年5月21日 7時) (レス) id: 1540b5aafe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHINKAI | 作成日時：2018年5月5日 13時
