第９０夜 ページ50
「それって．．．」
「今までAと水神のシンクロ値は酷く低かった
そのせいで上手く扱う事が出来ていなかったが．．．」
「レベル３との戦いでシンクロ値が上がったってことさ？」
「おそらくな．．．」
ラビとブックマンがそんな話をする中、ラビの腕の中にいたAが小さく身じろぎをした
『ん．．．』
「！A！！」
瞼が震えそっと目が開けられた
しばらく宙を彷徨っていた視線がラビに向けられる
『．．．ラビ？』
「Aっ．．．よかったさっ」
ラビはAを優しく抱きしめる
Aはそんなラビの背中に腕を回しラビに擦りついた
『ラビ．．．ただいま．．．』
「！．．．おぅ．．．っ」
ラビの涙がAの肩を濡らした
「A．．．」
ラビの後ろで小さな声がした
それは確かにAに向けられたものだった
『リナリー．．．』
ラビがそっと離れるとリナリーはおずおずとAに近寄り目の前で立ち止まった
ミランダに支えられ立つ少女は唇を噛み締めAを見つめる
「A．．．私っ．．．！」
『リナリー』
「！．．．A．．．？」
意を決して話始めた途端にリナリーの腕を引き抱き込んだ
リナリーは何が起こったのか分からなかったが、少しずつ温もりを取り戻す体温に酷く安堵した
ただそれだけで彼女の瞳から涙が溢れだして止まらない
「Aっ、A．．．っ」
ひたすらに名前を呼び続け縋り付く様に抱きしめ返す
『リナリー、頑張ったんだね．．．ちゃんと帰ってきてくれてありがとう．．．』
Aは随分と短くなってしまったリナリーの髪を撫でながら優しく話す
「ごめん、ごめんなさいっ！私あなたに酷い事、した．．．
本当にごめんなさい、ごめんなさい．．．っ」
しゃくり上げながら言う彼女を更にきつく抱きしめる
『ううん、いいんだよ、リナリー．．．お前が無事ならいいの
ねえリナリー、強くなろう．．．一緒に』
「．．．！」
抱きしめる力を抜いてお互い見つめあう
そして額をコツンと合わせ笑って言う
『今度こそ守れるように、後悔しないように．．．
強くなろう．．．ね？リナリー』
「．．．うんっ．．．うん．．．っ！」
そう言って笑い合う少女達を優しい月が見守っていた．．．
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SHINKAI(プロフ) - さん» その言葉が私めの原動力でございますー！！ (2018年10月4日 18時) (
レス) id: 1540b5aafe (このIDを非表示/違反報告)
- 面白かったです〜。更新頑張ってくださいねぇ〜〜! (2018年10月4日 17時) (レス) id: c9ef7ad056 (このIDを非表示/違反報告)
SHINKAI(プロフ) - 零斗さん» 有難きお言葉ですー！！更新頑張りますっ！ (2018年9月22日 12時) (レス) id: 1540b5aafe (このIDを非表示/違反報告)
零斗 - とても面白かったです！これからも更新頑張って下さい！ (2018年9月21日 23時) (レス) id: 300461bf22 (このIDを非表示/違反報告)
SHINKAI(プロフ) - 雪見だいふくさん» えっ、えっ…めっちゃ嬉しいです…ありがとうございますっ！頑張ります！！ (2018年5月21日 7時) (レス) id: 1540b5aafe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHINKAI | 作成日時：2018年5月5日 13時
