第８３夜 キミとの思い出 ページ43
『．．．歩いても歩いても、景色は変わらず海の底』
『此処がどこでどうなってるのか分からないし．．．
結局あれ以来何も聞こえないし．．．幻聴だった？』
苦笑いを浮かべながらも歩くのはやめない
『．．．こんな事、してる暇じゃないのに．．．』
不意にポツリと溢した言葉のせいで足が止まる
前を向いていた視線も足元に落ちてしまった
『このままじゃ．．．また守れないよ．．．っ』
何も変わらない現状に泣きそうになった時だった
＜もう嫌っ！！＞
『！！？』
静かだった空間に響いた甲高い声
驚いて声のした方を見る
『あれは．．．』
”もう嫌だよ！！何で！何で私ばっかりっ！！”
肩まで伸びた亜麻色の髪を振り乱し
右手を床に叩きつけ泣き叫ぶ幼い少女
『なん、で．．．？』
紛れも無い、幼き頃のAだった．．．
『昔の、私．．．？』
小さく溢した瞬間
海底だったそこは一瞬で見覚えのある部屋に変わった
『！？．．．此処、教団の．．．私の部屋？』
少女の横、ベッドの前に立って辺りを見回す
未だに右手を床に叩きつけて泣き叫ぶ自分自身に視線を落とす
『これ．．．もしかして』
少女の手が徐々に血に染まり始めたとき
”おい、もうその辺にしとけ”
”『ぁ．．．』”
『(あぁ．．．やっぱり)』
”『クロ．．．ス．．．』”
『(これは、私の記憶だ．．．)』
少女は突然に現れ自分の腕を掴んだクロス・マリアンに驚いていた
だがそれも一瞬で掴まれた腕を振り払い叫ぶ
”『うるさいっ！うるさいっ！！
なんで此処にいるの！早くどっか行ってよっ！！』”
”「そんな事した所で何にもなんねーだろ」”
”『うるさいうるさい！！何でっ！何で、私なの．．．』”
”「．．．A」”
『．．．』
”『何で．．．私なの．．．？ねぇ．．．っ』”
少女の声が小さく震える
それを聞いてクロスはそっと少女を抱きしめる
『これは．．．』
”『なんで私が選ばれたの．．．っ？』”
『10年前の．．．水神に適合した時の記憶だ．．．』
クロスにしがみ付き泣く過去の自分の右手を見る
そこには今と何も変わらない
刺青のような十字架が刻まれていた
”『何で？何で私なのっ』”
『ほんと．．．何で私だったんだろうね．．．』
少女の頬から流れた涙が落ちた瞬間景色は一変した
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SHINKAI(プロフ) - さん» その言葉が私めの原動力でございますー！！ (2018年10月4日 18時) (
レス) id: 1540b5aafe (このIDを非表示/違反報告)
- 面白かったです〜。更新頑張ってくださいねぇ〜〜! (2018年10月4日 17時) (レス) id: c9ef7ad056 (このIDを非表示/違反報告)
SHINKAI(プロフ) - 零斗さん» 有難きお言葉ですー！！更新頑張りますっ！ (2018年9月22日 12時) (レス) id: 1540b5aafe (このIDを非表示/違反報告)
零斗 - とても面白かったです！これからも更新頑張って下さい！ (2018年9月21日 23時) (レス) id: 300461bf22 (このIDを非表示/違反報告)
SHINKAI(プロフ) - 雪見だいふくさん» えっ、えっ…めっちゃ嬉しいです…ありがとうございますっ！頑張ります！！ (2018年5月21日 7時) (レス) id: 1540b5aafe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHINKAI | 作成日時：2018年5月5日 13時
