第６８夜 ページ27
Aside
「それでは、参りましょうか、Aさん」
『は？』
皆の後に続いて船に乗り込もうとした私の腕をウォンが掴む
『．．．いや、えっと〜．．．なんで？』
私達の会話に気付いてラビとブックマンが振り返ったのが分かった
「メメントモリを失った貴女には室長殿から帰還命令が出ています」
「一度アジア支部に来ていただいた後、本部から迎えが来ます」
『コムイからの、命令．．．』
「はい、ですので私と共に．．．」
『．．．．．．』
「．．．！！．．．A、さん」
ウォンの顔が強張って腕を掴んでいた手が緩められ
私はそっとウォンの手から腕を抜き、もう一度ウォンの顔を見た
相変わらず強張ったままのウォンの顔
『(そんな恐い顔してんのかな、私)』
『ウォン、悪いけどコムイに伝えて
私は今教団に戻るつもりはない、って』
「！？い、いえ．．．ですが！」
『ウォン』
「！．．．は、はい」
名前を呼んだだけで肩をびくつかせるウォンが可笑しくて思わず笑ってしまう
その瞬間にウォンの肩の力が抜けた
『(やっぱり恐かったのか．．．)』
『ウォン、私は戻るつもりはないよ
コムイに、誰になんと言われようと今この道を引き返すつもりはない．．．』
『確かに私はメメントモリを失って、今まで通りになんて無理だと思う』
「でしたら．．．！」
『でもね、私は戦わなくちゃ、ここにいなきゃ、守らなくちゃ．．．今度こそ』
「．．．！」
『ウォン、もう一個コムイに．．．あと一応バクにも伝えて欲しい事があるんだ』
『私は．．．』
止まってしまった言葉を一度深呼吸をして搾り出す
『私は．．．残った水神(コイツ)と進む事にしたんだ』
『ずっとずっと逃げてきた．．．私がいつまでもコイツを使えないのは
心のどっかで私がコイツを否定してるからなんだと思う』
『コイツは．．．水神はずっと私の事を待ってるんだ．．．』
手袋に覆われて今は見えない右手の甲を見る
「なぜ．．．そのように．．．」
ウォンの問いに私は笑って答える
『あの時私を助けてくれたのが水神だから』
「．．．え？」
『んじゃまぁそういうことだから！
コムイとバクによろしくね！』
そして早々と私が船に乗ると船はゆっくりと出発した
『あ、そうだ！ウォン！後もう一つ伝言頼む！！
＿＿＿＿＿＿＿．．．』
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SHINKAI(プロフ) - さん» その言葉が私めの原動力でございますー！！ (2018年10月4日 18時) (
レス) id: 1540b5aafe (このIDを非表示/違反報告)
- 面白かったです〜。更新頑張ってくださいねぇ〜〜! (2018年10月4日 17時) (レス) id: c9ef7ad056 (このIDを非表示/違反報告)
SHINKAI(プロフ) - 零斗さん» 有難きお言葉ですー！！更新頑張りますっ！ (2018年9月22日 12時) (レス) id: 1540b5aafe (このIDを非表示/違反報告)
零斗 - とても面白かったです！これからも更新頑張って下さい！ (2018年9月21日 23時) (レス) id: 300461bf22 (このIDを非表示/違反報告)
SHINKAI(プロフ) - 雪見だいふくさん» えっ、えっ…めっちゃ嬉しいです…ありがとうございますっ！頑張ります！！ (2018年5月21日 7時) (レス) id: 1540b5aafe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SHINKAI | 作成日時：2018年5月5日 13時
