検索窓
今日:18 hit、昨日:3 hit、合計:76,485 hit

第59夜 ページ17

『なんで...此処に...』




「仕事だよ、仕事」




『仕事...?』



Aが聞き返すと、男は相変わらず


顔を隠したまま口元に笑顔を浮かべた



「そう、仕事」


「俺今さ、ある元帥の関係者を殺してるんだよね」


「少年の方には俺の仲間が行ってるから


 俺はお嬢さんの方に来たってわけ」




『(アレン...!)』




「だからさ、お嬢さんの名前教えてくれない?」



男はそう言いながら徐々に近づいてくる



「この前は聞くの忘れてたからね」



足が動かない



「ねえ...お嬢さん」



冷や汗が止まらない



「名前...」



体の震えが止まらない



「教えて...?」



男はとうとう目の前にやって来た



『ぁ...』



近づいた距離にあの夜を思い出した


今までに感じたことがないほどの


死の実感



「あれ...大丈夫ぅ?」


「顔...真っ青だよ?」



そう言って頬に手を伸ばされ


体が異常なほどに固くなる



「...あぁ、もしかして...」


「...恐いの...?」



男は愉快そうに口元を歪めて笑う



『...っ』


『...恐く...なんか、ない』




「......そっか」


「なら、あの夜の続きをしよう」


「あ...その前にお嬢さんの名前教えてよ」




『.........』




「...ん〜...」


「じゃあこうしよう!」



男は顔の横で人差し指を立てる


その指を自分の顔に向けて言った



「先に俺の名前を教えてあげるよ」


「俺も自己紹介してなかったしね」




『......』




「そうだそうだ、そうしよう!」


「...それじゃあ改めまして...」



男は2、3歩下がりこちらを見据える


男が話し始めると、着ていた黒いコートが


闇に溶けるように消え始め


フードは風に吹かれる



「俺はノアの一族の末っ子であり長男でもある...」




『......』




「”空白”のメモリーを持つ0番目のノア」


「ノアとしての名前は”ブランク”」


「人としての名前は...」



外れたフードから男の顔があらわになる



『...!...う、そ..』




「...レイ・エトワール...」


「どうぞ、お見知りおきを、お嬢さん...」



そう言って笑った男は...


あの時汽車の中で出会った男だった...



『なんで......』




「さぁ...次はお嬢さんの名前を教えてよ...」

第60夜→←第58夜 おわりのとき



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (49 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
157人がお気に入り
設定タグ:D.Gray-man , Dグレ , 原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

SHINKAI(プロフ) -   さん» その言葉が私めの原動力でございますー!! (2018年10月4日 18時) (レス) id: 1540b5aafe (このIDを非表示/違反報告)
   - 面白かったです〜。更新頑張ってくださいねぇ〜〜! (2018年10月4日 17時) (レス) id: c9ef7ad056 (このIDを非表示/違反報告)
SHINKAI(プロフ) - 零斗さん» 有難きお言葉ですー!!更新頑張りますっ! (2018年9月22日 12時) (レス) id: 1540b5aafe (このIDを非表示/違反報告)
零斗 - とても面白かったです!これからも更新頑張って下さい! (2018年9月21日 23時) (レス) id: 300461bf22 (このIDを非表示/違反報告)
SHINKAI(プロフ) - 雪見だいふくさん» えっ、えっ…めっちゃ嬉しいです…ありがとうございますっ!頑張ります!! (2018年5月21日 7時) (レス) id: 1540b5aafe (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:SHINKAI | 作成日時:2018年5月5日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。