Prologue ページ2
"妖怪"
この存在を知っているだろうか。
皆どこかしらで聞き、今や誰もがその言葉でその像を思い浮かべるだろう。
だから、答えは「Yes」だと思う。
しかし、こう聞かれたら、話は違ってくる。
__君は、妖怪を見たことがあるだろうか。__
答えは2つに分かれるはずだ。
大半の人間は「No」と言うことだろう。
それは当然で、未だ存在が実証されていない生物をこの目で見たものが多いなら、研究者や専門家はあれほどまでに暗躍しない。
しかし稀に。
極極稀に。
こう言う者もいる。
「自分は妖怪をこの目で見た、間違いない」と。
火の無い所に煙は立たないとはよく言ったものだ。
そもそもその存在が絶対に証明されない誰かの想像だとしたら、話はここまで大きくなどなっていないだろう。
しかしその言葉を聞いた周りの人間の言うことも決まっている。
「見間違いだ、いるわけない」と。
大体のものは根拠がないと疑い、笑い、馬鹿にする。
けれどそれも変な話だ。
誰が妖怪を「ありえない」と証明した?
「わからない」は「ありえない」の証明ではない。
絶対のない世だから、面白いのではないか。
___君も、そう思うだろう?
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月見 | 作成日時:2024年3月14日 14時