デカブツin科学部室 ページ5
‹ 千空side ›
2019年6月3日＿＿。
入院中の幼馴染みから部活終わりに病院へ来てほしいとメールが来たのは本の少し前だ。
何かあったんじゃないかと一瞬焦ったが、緊急事態というわけではないらしく安心した。
杠に言ったら、｢今日はみんなで行こう｣と返された。
杠はAのことを大分気に入っている。
Aは幼い頃から入院していたから、外の世界のことをあまり知らない。
杠が言うには、そういう所が妹みたいで可愛いんだと。
ただ、Aはというと、病院の中で出来ることが限られていて退屈らしい。
そこで、Aはある日から俺の参考書を熟読し始めた。
病院に隔離されていたAの貪欲さは凄まじく、一度見たもの、聞いたものは何でも記憶した。
それは杠も固まる程のスピードで、NASAの研究員であるゼノ先生も興味を示していた。
そうして、今やAは、俺にも引けを取らない科学バカだ。
そんな事を考えていると、科学室の扉が勢いよく開いた。
…あ"ー…、
大樹｢聞いてくれ千空！！｣
｢俺は決めた！今日こそ今から！！｣
｢この5年越しの想いを杠に伝える！！｣
…ぅるっせェなデカブツ。
テメーのクソデカボイス砲じゃねーと聞こえない程俺の耳は辛うじて遠くなっちゃいねェよ。
そんな皮肉を込めて俺は言い返した。
千空｢ほーん、そりゃすげえ興味深い深い。｣
｢声帯がブチ切れるほど応援してるわ、この科学部室から。｣
だというのに、大樹から返ってきたのは感謝の言葉だった。
まァ答えの予想としちゃあドンピシャだったがな。
つーか5年も気持ち伝えねェとかどんな非合理バカだってんだ。
そう言って惚れさせ薬(インチキ)を差し出すと、案の定コイツはそれを捨てた。
そうすると今度は科学部員たちが下心見え見えの顔で近付いてきた。
部員｢てかこれマジか千空、惚れさせ薬って…｣
ったくコイツらは…。
俺はマッチの火を惚れさせ薬(インチキ)にブチ込んだ。
すると勢いよく上がった炎に、部員たちは青ざめる。
ペットボトルの蓋から精製したガソリンだと伝えると、部員たちは青ざめるどころかもう顔面蒼白だった。
後でAに話したら、どんな反応を見せるだろうか。
Aのことを考えると、無意識にスマホの待ち受け画面を開いてしまった。
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月見(プロフ) - まーさんさん» 早速コメントありがたい限りです！ご期待に添えるよう頑張りますので宜しくお願いします！ (11月1日 7時) (
レス) id: 2f2ae5a510 (このIDを非表示/違反報告)
まーさん - 続きめっちゃ気になります！楽しみに待ってますね！ (10月31日 23時) (レス) @page4 id: 3f806a558d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2023年10月30日 11時
