紫の原石はSixTONESの紅一点 8 (ページ44)

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パパみたいページ44

A：「完璧だなんて間違ったって思うな、弱さのない世界は強さとは無縁だ」

一度、音が流れ始めたらとどまることを知らない

ドラマの撮影が終わってて良かったって心底思う

SixTONESとして初のアルバム

そのアルバムを彩るリード曲

A：7人全員でハモりたいから、ここに音を追加しておくか・・・

音を重ねて、言葉を足して、命を吹き込んであげる

その最中は、頭の中から音を出すことだけに集中しているから周りの音なんて気にならないし、身の回りのことだって疎かになる

A：今・・・何時・・・

いいところまで終わらせて、時間を見ると始めた頃から何時間も経っていた

A：わ・・・もうこんな時間だ・・・

食事を作る気力もない

A：もう、ダメだ・・・

その言葉を最後に記憶が途切れた

そして・・・

北斗：っ・・・Aっ！

A：・・・ん・・・なに・・・

北斗：起きたっ、大丈夫？どこも打ってない？痛めてない？

A：え、どういう・・・

北斗：あなた、今、楽譜が散りばめられた床で倒れてたのよ？

A：倒れてた・・・

北斗：顔面真っ白で、気分が悪いとかないの？

A：あー・・・ごめん、ただ寝てた・・・

北斗：ね・・・てた？

A：曲作ってて・・・その、気がついたら夜で・・・

北斗：・・・は？もしかして、朝からなにも食べてない・・・とか？

A：・・・もしかしてです

北斗：はぁ？もう、なんてことをして・・・で、寝れてないとかもある感じ？

A：すごいね、私のこと全部わかってるじゃんw

北斗：なぁに笑ってんの、あなたが悪いの

A：・・・ごめんなさい

北斗：ん、ちょっと待ってて

キッチンに行って暖かいお茶を持ってきてくれて、またキッチンに消えて行った

もらったお茶を飲みながら、散らばった楽譜たちを見てると、ここの音とここの音をつなげたら面白そうだなって思うところが見つかった

とりあえず殴り書き程度に楽譜に書いて、音を鳴らそうとした時、後ろからほっくんに抱きつかれた

A：わっ

北斗：行かせないよ？ご飯をしっかり食べないと、今日はもう行かせない

A：でも、音が

北斗：今出てきたこと書いた？もう後から思い出せない？

A：楽譜に書いた

北斗：ん、ならご飯が先

A：わかった

ほっくんが作ってくれたご飯は体に染み渡る気がした

北斗：ちゃんとご飯食べて、寝る時間はしっかりとって

A：はい・・・パパ

北斗：パパじゃないっいて！

A：ふふw