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試合が終わってみんなが一ノ瀬を囲って安堵する中、それにしてもと考える。
地元のチームというだけで弱小認定をする気は無いが、部活として活動している雷門よりも満足な練習機会があるとは考えにくい。それに雷門は腐っても大会優勝校。フルメンバーでないとはいえ、そう簡単に点を許すようなことはないはず。
チラリと向こうチームの様子を伺う。
すると試合に勝ったにもかかわらず一ノ瀬が本末転倒なことになっているのが目に入った。
「神門！神門からも何か言ってくれ！」
「適当に躱してしまえばいいのに」
「躱すって言われても...」
「この戦いが終わったら迎えに行くとでも言えば良いのではないでしょうか」
「それ死亡フラグだよね！？」
「あぁんもうダーリンたらいけずやわぁ♡そんな照れんでもええやん！」
「照れてない！神門〜！」
ダーリン♡とハートを飛ばすリカに捕まったままこちらに手を伸ばす一ノ瀬。女の嫉妬に巻き込まれるのは遠慮したいので、彼には悪いが適当にいなしてしまう。
しばらくは離してもらえないだろうなとその光景を憐れみながら見守っていると、ギャルズのメンバーが揃ってこちらに歩み寄ってきた。
「あんたらむっちゃ強いなぁ」
「ウチらに勝ったん、あんたらが初めてや」
「それを言うなら君たちだって」
「あぁ、効いたぜあのシュート！」
「それに、あのボール捌きもな」
互いが互いに賞賛を贈る。
どういう訳か私を盾にしてリカから逃げる一ノ瀬と、それをどうにか捕まえようと奮闘するリカに挟まれながら見守っていると、何故かギャルズの一番小さい子にしがみつかれている目金が尋ねた。
「この僕たちと互角に戦えるなんて...何か、秘密があるんじゃないですか？」
「「え」」
「ん？」
途端に黙り込んだ彼女たち。少し間を開けたがリカが「実はな」と喋り始めると途端に彼女の口はチームメイトによって塞がれてしまった。
彼女の近くにいた私と一ノ瀬は巻き込まれないよう咄嗟に避ける。
「いやぁー！今日もいい天気やなぁ！あ、トラや！」
「え、どこどこ！？」
「って、トラが空飛ぶかいな...」
何やらボソボソと内緒話をしているみたいでどうにも怪しい。
「あかんやんリカ。そんなこと人にゆうたら！」
「ウチらだけの秘密やろ？」
「せやけどダーリン知りたそうやし。それにみんなで一緒にできたら楽しいやん？な、ええやろ？」
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桜餅 - ストーリーの流れ作りやセリフ、心理描写などがすごく丁寧で一気読みしててすごく楽しいです。神門ちゃんも神々しくて性差のないセリフもミステリアスで推しになっちゃいました。続きいつか見られたらいいなと思います。 (4月21日 10時) (
レス) @page27 id: 4b77f742c4 (このIDを非表示/違反報告)
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