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くつくつと上機嫌に喉を鳴らす神門に、少しだけアツヤが顔を出した。
「んだよ練習って。じゃあ俺は練習相手に止められたってのか？」
「そんなの私だって一緒ですよ」
神門は呆れた顔で言い返す。
それを聞いてアツヤは不満げな顔で黙り込んでしまった。
「勝つことだけが正解じゃないでしょう？それに強敵出現ってRPGみたいでワクワクするじゃないですか」
「ゲームじゃねぇんだぞ」
「ゲームみたいなものでしょう。サッカーの起源はイングランドの祭りだなんて言いますし、娯楽には変わりませんよ」
そう言うと神門は吹雪の頭を撫でて笑いかけた。
「かと言って本番の試合は緊張するもの。だったら練習だと思って気楽に、楽しんでやったらいいじゃないですか」
大人しく頭を撫でられていた吹雪が目を見開く。
焦って不機嫌になっていたアツヤがふと表情を緩めて目を閉じ、士郎が微笑んだ。
「うん、そうだね」
いくらか雰囲気が和らいだ吹雪を見て神門は満足気に頷く。
すると神門の背後からひょっこりとリカが顔を出した。
「あんたらイチャついてんのはええけどミーティング始まっとるで」
「おや？それはすみません」
何やらニヤつくリカを無視して神門がにこやかに返事をする。
どうやら自分たちは結構長いこと話していたらしく、とっくに全員が集まっていた。
DF陣はやる気十分。円堂のおかげもあり、今のところ無失点というのは随分仲間の心を支えているみたいだ。
「吹雪くん、攻撃に気を取られすぎよ。DFに集中しなさい」
瞳子の注意に対し、吹雪はゆっくりと頷く。
しかし鬼道の意見は別だった。
「監督、吹雪をFWに上げてください。今のままでは攻撃力が足りません」
「ちょぉ、ウチじゃあかんの？」
前半の攻撃に加え先程の会話である程度安定した吹雪なら大丈夫だと判断したのだろうか。
不満の声をあげるリカには反応せず鬼道がそう進言する。
しかし今の吹雪にとってそれは重荷だろうと神門は彼の様子を伺った。
予想通り顔を歪めていた彼を見て神門が口を挟もうとするが、瞳子が鬼道の意見を却下したことによって発言することは出来なくなる。
「吹雪くんはDFから瞬時に攻撃に移れる。イプシロンの攻撃を防いだときこそがチャンスよ。
カウンター攻撃を繰り返せば、必ず得点の機会はある」
「！はい」
「しかし、それでは吹雪に負担が...」
鬼道がそう言うと、瞳子は神門に視線を移した。
「神門がサポートにつきなさい」
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桜餅 - ストーリーの流れ作りやセリフ、心理描写などがすごく丁寧で一気読みしててすごく楽しいです。神門ちゃんも神々しくて性差のないセリフもミステリアスで推しになっちゃいました。続きいつか見られたらいいなと思います。 (4月21日 10時) (
レス) @page27 id: 4b77f742c4 (このIDを非表示/違反報告)
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