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強化されたエターナルブリザード。それも至近距離から放たれ蹴ったままの威力のものが、落とされた。
それは雷門にとってとても衝撃的なものだった。
「あの距離でもエターナルブリザードを完璧に止めた、なんてキーパーだ」
円堂が唖然とつぶやく。
「この程度では物足りないぞ。もっと魂を熱くたぎらせるシュートを叩きこめ！」
「なに！？」
デザームは吹雪を煽るとボールをチームに投げ、戦術を言渡す。
素早いカウンター攻撃であっという間に壁山、木暮とDFを突破しゼルがガニメテプロンを放った。
「魔人・ザ・ハンド！」
しかしそれも円堂によって止められる。
「ナイスセーブ！いい反応だったぞ！」
「...そういえば、いつもと感じが違ってた」
土門に声をかけられた円堂は、何か違和感を感じたように自身の手を見つめる。
そこで前半戦が終了。ここまで、両者無得点である。
「吹雪」
「.....神門」
ベンチに戻っていく中、浮かない顔の吹雪に対して神門が肩に手を置き声をかけた。
「必殺技、凄かったよ」
「ありがとうございます。でもお前とは違って相手の技を引きずり出せもしなかったのは残念ですね」
「え、あ、えっと...」
「あはは！冗談ですよ」
にこにこと表情を崩さないまま吹雪を揶揄う神門。
吹雪はなんとなく「励ましに来てくれたのだな」と悟って笑みを浮かべた。
「ありがとう、神門」
「はて？お礼を言われることなどしていませんよ」
適当にはぐらかす神門を見て、吹雪はそっと表情を和らげる。
"アツヤ"である吹雪についてをあけすけに言及しない彼女の態度は、今の吹雪には心地よかった。
士郎に戻っている今、アツヤの存在を知る神門がわざわざ「お前」と言ったのは"士郎"が必要とされないことを恐れる吹雪のためでもある。
吹雪はそれに気づいていないが、神門はそれをわかった上で続けた。
「お前もあんまり無理はしないようにしなさい。DFから上がるのも体力がいるでしょう？」
「それくらい、前もやってたから大丈夫だよ」
「温存するに越したことはないじゃないですか」
「でも...」
「それとも私にはシュートを打たせたくないって？」
「そ、うじゃない、けど...」
わざと拗ねるような顔で神門が首を傾げれば、吹雪は戸惑って言葉を濁した。
「ね？私だって宇宙人でシュート練習したいんですよ」
「練習？」
「そう、練習ですよあんなのは」
まさかの練習なんて言葉に吹雪は疑問を口に出す。
それを見て神門は頷いた。
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桜餅 - ストーリーの流れ作りやセリフ、心理描写などがすごく丁寧で一気読みしててすごく楽しいです。神門ちゃんも神々しくて性差のないセリフもミステリアスで推しになっちゃいました。続きいつか見られたらいいなと思います。 (4月21日 10時) (
レス) @page27 id: 4b77f742c4 (このIDを非表示/違反報告)
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