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結局スピード強化を中心的におこなっていると、吹雪が思ったよりも早く帰ってきた。
苛立った様子の彼の様子を見て、今はおそらくアツヤだなと察し道を譲る。
レベルMAXには達していないがそれなりに使えたのでよしとしよう。何よりストレスが溜まっていそうな彼に制限をした後の方がこわい。
無茶をするようだったら止めるが、しばらくは好きにさせよう。
壊してしまいそうな勢いの彼に背を向け、部屋から出る。するとそこには予想通りメンバーが勢揃いしていた。
「うわっ...！」
「何してるんです？」
覗き込んでいた面々に視線をやり、その後何やら厳しい顔をしている後ろの面子に顔を向ける。
曰く、練習中それが終わる前に突然飛び出して行ったのだとか。
「イプシロンのキーパーにエターナルブリザードが止められたのがよっぽど悔しかったんですね...」
「しばらく収まっていたスタンドプレイも復活ね。まぁそれが魅力と言えなくもないけど...」
春奈と夏美がそれぞれ中にいる吹雪を見つめながら言う。
「まさか、染岡くんの離脱が影響しているの？」
小さく呟いた秋を見てそれからまた吹雪に視線を移す。
同じFWにして唯一自分に突っかかってきた人物。それは言ってしまえば唯一対等な相手とも捉えられる。
自身をあてにするだけでないライバルが居なくなってしまうのは、吹雪がより完璧に固執する要因にもなるだろう。
「今は吹雪の思うようにさせよう。あの意気込みが試合でいい方に出るかも」
「...あぁ」
いい方向、か。
「ふふ...」
「「！！」」
思わず漏れた笑いは想像以上にその場に響いた。
眉をひそめた鬼道が私をじっと見つめる。
「どうかしたか」
鬼道の問いかけに視線だけやり、すぐに逸らす。
あれを見て、まだそんな悠長なことを言えるのは彼の秘密を知らないからか。
「......いい方向になんて、本当にいくと思ってるの」
想像するよりずっと冷たい声が出た。別に怒っている訳では無いのだが...いやこれも言い訳か。
いけないな。これではただの八つ当たりだ。
「すみません。ただの独り言ですので、あまり気にしないでください」
しんと静まり返った空間に少しだけ居心地が悪くなって無理ににこりと笑う。
ここにいてはまた余計なことを言いそうだ。
そのまま返事も聞かずに立ち去る。
監督のところにでも行こう。どうせ聞きたいこともあるのから丁度いい。
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桜餅 - ストーリーの流れ作りやセリフ、心理描写などがすごく丁寧で一気読みしててすごく楽しいです。神門ちゃんも神々しくて性差のないセリフもミステリアスで推しになっちゃいました。続きいつか見られたらいいなと思います。 (4月21日 10時) (
レス) @page27 id: 4b77f742c4 (このIDを非表示/違反報告)
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