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タオルを被せるとやっと気づいた彼が振り返る。
「あー、悪ぃな...」
「いいですよ。ただ一旦休憩を入れなさい」
「...嫌だ」
「私だって使いたいんですよ。本番は明日なんですから譲れ」
「ぐっ.....」
適当な理由をでっち上げてマシーンから離れさせる。
もう少し渋るかと思いきやそうでもなく、彼は苦い顔をしながらも私に場所を譲った。
さて、と目の前の機械を見つめる。
これを使うのは初めてだ。そもそも私のシュートスタイルはドリブルの延長戦なのでやらなくとも問題は無いのだが、積極的に点を取れるFWが減っている以上得点要因は増やすべきだろう。
本当は一ノ瀬あたりも連れてくる気だったがリカが常に着いている状態なので置いてきた。
試しにレベル1から始めてみる。
ここのマシーンの特性はある程度理解できていたので3までは特に苦戦することも無くクリアできた。
しかし問題はここから。キーパー役の機械にボールを弾かれそれを蹴り返すという作業が続く。
コーナーを狙ったり正面突破で狙ってみてもシュートは通らない。
角度をつけようと多少のカーブ程度では返されてしまい、これは手強い。
これは単純に力でゴリ押すより少し作戦を立てた方が良さそうだ。
「おいまだかよ！もういいだろ俺にやらせろ」
「お前MAXまでクリアしてたじゃないですか。せめて5にいくまでやらせてください」
催促する外野をあしらって考え込む。
どうせ突破できないなら対デザームように強化した方がいいだろう。
デザームはどんな技を使ってくるかはわからないが、変化球なら...いや、それよりもスピードで攻めた方がいいだろうか。
そんなことを考えていると、鬼道がやってきた。
「吹雪、お前もDFの練習に...、神門もいたのか」
「一旦全部試してみたくなったので。吹雪連れてくのはいいですけど、彼さっきから見てるばかりで水分補給もクールダウンもしないので適度に水分取らせてくださいね」
「あはは、バレてたんだ...」
「わかった。吹雪も来てくれるか？」
「うん。いいよ」
DF練習ならアツヤも収まるだろう。
後ろ手で手を振って見送り、近くの懸念事項がいなくなったことで改めてマシーンに向かった。
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桜餅 - ストーリーの流れ作りやセリフ、心理描写などがすごく丁寧で一気読みしててすごく楽しいです。神門ちゃんも神々しくて性差のないセリフもミステリアスで推しになっちゃいました。続きいつか見られたらいいなと思います。 (4月21日 10時) (
レス) @page27 id: 4b77f742c4 (このIDを非表示/違反報告)
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