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それぞれが自身のポジションの練習場所を見ている中、リカと一ノ瀬の会話が聞こえた。
「それにしてもすごいね。君たちの練習場」
「ウチらやないで」
「「えぇ？」」
聞けば、たまたまここを見つけたのをきっかけに使わせてもらっているだけで、彼女たちも本当の持ち主は知らないらしい。
やっぱりか、とそれを聞いて頭を抱えた。
「大丈夫やって。今まで誰も文句言うて来ぃへんし、怒られたら謝ればええやん」
その考え方はなかったなとぼんやりと会話を聞いていると、どうやらマネージャーたちはここがエイリア学園のものかもしれない可能性に行き着いたみたいだ。
「そんないなわけないやん。ウチらずっとここ使うてるんやで？奴らのもんやったらすぐ取り返しに来るんちゃうか？」
それを聞いてすぐにそれもそうかと思い直したらしい。
その場は解散となり、各々が練習を始めた。
最初に目金が使っていたマシーンに向かうと、そこにはもう既に風丸がいた。レベル2までは順調に避けていたが、レベル3に上がったところで後ろに飛ばされてしまう。
「くっそ...もう一度...」
「一郎太」
声をかけると、立ち上がろうとした一郎太がこちらを見る。
近づき手を差し出す。彼が握り返したので、そのまま引き上げた。
「サンキュー神門」
「いえ、私もここ使わせてもらってもいいですか？」
「あぁ」
手始めにレベル1から始める。
見た目よりも難しいなと思いつつ向かってくる障害物を避け、飛んで跳ねてを繰り返した。
どのくらいやっただろうか。体感では数十分くらい、一郎太と二人で交互に使っていたのだがだんだんとレベル4、5辺りはこなせるようになってきた。
「少し休憩しますか...」
「はぁ、そうだな...にしてもすごいな神門は。もうレベル5までクリアじゃないか」
「たまたまスタイルが合ってただけですよ。私のプレイスタイルは動体視力が命。見ることに慣れているので、これも物が見えやすいんです」
「動体視力か...」
「一郎太はスピード型でしょう？クリアできずに悔しいのもわかりますが、それほど焦らなくともいいのでは？」
どことなく悩ましげな彼にそう言うが、彼の中ではそれも悩みの種だったらしく、余計に表情が暗くなってしまった。
「それを言うならお前だって...それに俺は吹雪のスピードにだって追いつけてないんだ。もっと俺も強くならないと」
そう俯く彼を見て口を開く。
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桜餅 - ストーリーの流れ作りやセリフ、心理描写などがすごく丁寧で一気読みしててすごく楽しいです。神門ちゃんも神々しくて性差のないセリフもミステリアスで推しになっちゃいました。続きいつか見られたらいいなと思います。 (4月21日 10時) (
レス) @page27 id: 4b77f742c4 (このIDを非表示/違反報告)
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