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「諸君がこの見事さを真に理解するとは微塵も期待していない。吾輩が教えるのは、名声を瓶詰めにし、栄光を醸造し、死にさえ蓋をする方法である──最も、諸君らがトロール並の脳みそを持っていればの話だが」
クラス中がしんと静まり返り、Aは彼がすこし好きになった。セブルス・スネイプの言葉選びは繊細で芸術的だ。詩的ですらあると思った。
スネイプはクラス中を一瞥すると、1人の生徒を鋭く睨んだ。「ポッター！」
「アスフォデルの球根の粉末にニガヨモギを煎じたものを加えると何になる？」
突然の質問に、ポッターは目を白黒させた。Aは教科書の記憶を手繰り寄せようと、目を瞑って考えた。少なくとも前半にはなかったはずだ。
質問と同時に手を挙げた栗毛の少女が印象に残った。実践を踏まないと理論を覚えにくいのが、Aの悪いところだ。
「生ける屍の水薬……」
ポッターが「わかりません」と言い放つのと同時に、Aがダフネにしか聞こえない声で呟いた。
「有名なだけではどうにもならんらしい」
スネイプは嫌味に唇を釣り上げ、「べアゾール石を見つけて来いと言われたら、どこを探すかね？ポッター」と続けた。
この質問は覚えている。ヤギの胃の中だ。たいていの薬に対する解毒剤となる。
この記述が載った箇所を開けば、ダフネが目を見開いて、興奮したように呟いた。
「A、あなたもしかして全て暗記を？」
「まさか。でも5回ほどは読んだわ」
「すごいじゃない！手を挙げたら？」
Aはグリフィンドールの栗毛の少女を見た。乗り出すようにして腕をピンと挙げている。あまりの必死さでみっともなさにAは顔を背けた。マルフォイ達が身をよじって笑っている。
でも、みっともないが、彼女はAより賢かった。多分あの少女は教科書を全て暗記していてもおかしくない。
「モンクスフードとウルフスベーンの違いは何かね？」
栗毛の少女がとうとう椅子から立ち上がって挙手したが、セブルス・スネイプは依然として彼女をいないものとして扱った。
彼に恐ろしいほどの強い瞳で射抜かれているハリー・ポッターと言えば、段々と落ち着き払って、彼の目をいまだまっすぐと見つめ返していた。
「わかりません」
その上、余裕綽々と「ハーマイオニーが分かっていると思いますから、彼女に質問してみたらどうでしょう？」などとのたまった。Aは思わずクスリと笑って、グリフィンドールが数人笑い声を上げた。
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うたかた(プロフ) - 第一部隊さん» ありがとうございます。最近時間がなくてなかなか書けていませんが、脳内のスリザリン生活をゆっくりしたためたいと思います。 (2018年10月7日 12時) (
レス) id: 0c67ed22ac (このIDを非表示/違反報告)
第一部隊(プロフ) - 凄く心地の良い文章の書き方ですね。とても面白かったです。更新楽しみにしています。頑張ってください。 (2018年10月5日 20時) (レス) id: c19040a7d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うたかた | 作成日時：2018年9月19日 13時
