Triangle -2- (ページ6)

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『...宏にい、今から先生は俺のだから』

『はぁ？...それ、本気で言ってんの？』

『先生頷いてくれたもん、』

『へぇ...』

ｷﾞｼ...と鳴って宏太さんがベッドに腰を掛ける。

そして、

『大貴くん、俺のことも好きって...さっき言ったよね』

『っ......、』

耳元で囁かれた言葉にぞくりと背中に走る何か。

『......言ったの......？』

......言った、と思う。

抱かれてる時に、多分、。

"好き"って宏太さんに言われて、"俺も"って、。

あぁ、.........

裕翔が俺を離し、肩を掴むけど、それは宏太さんによって引き剥がされ、二人の間に座らされる。

同時に見られて、罪悪感でいっぱいだ...。

『先生、俺と宏にい、どっちが好きなの...？』

『酷なこと聞くねぇ裕翔は』

『宏にいは黙ってろ。...ねぇ、先生、』

大型犬みたいな、潤んだ瞳で俺を見る裕翔と、
ちょっと余裕そうにして俺を見つめる宏太さん、

どっちが好き？

なんて、そんなこと、

『...ど、..どっちも、好き、......、』

そうとしか、答えられなかった。

途端に零れ出す涙。
慌てて両手で顔を覆うけど、それは遅くて、既にポロポロと頬を伝って顎を伝って服に落ちていく。

二人は俺のこと本気で好きって言ってくれてるのに、俺はそれに答えられない。

しかも、どっちも、...2人が好きなんて、

好きな人が2人いる、なんて、

『ごめ、なさ、......ごめんなさい、...』

『せんせ、泣かないでよ...』

大学生にもなって、こんなに泣いたことなんてない。

裕翔に頭を撫でられ、宏太さんに背中を撫でられ、

気づいたら、2人に抱きしめられていた。

『どっち、なんて選ばなくていいよ、大貴くん、』

『...へ、......』

『2人と、恋人になればいいじゃん。...なぁ裕翔？』

『.........宏にいと共有なんて、出来た試し無いんだけど、』

『反対するなら俺が貰うよ』

『ダメ！！』

ぎゅーっとまた抱きしめられて、う" と声が出ると慌てて離されるけど、今度は宏太さんに強く抱きしめられて、

『俺らの、恋人になってくれる？』

首を振り向かせて、宏太さんを見ると、優しい目、前を見ると、まだ子供っぽい、でも宏太さんと同じような優しい目。

『......はい、』

あぁ、俺はほんとに2人が好きなんだ、。

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