愛の独白 (ybhk) ページ50
side hk
光「……ん、」
ふいに目覚めて、時計を見たら午前３時。
変な時間に起きてしまった。
薮「ひかる…？」
光「なんもないよ、大丈夫」
もぞもぞと動いたら隣で寝ていた薮を起こしてしまったらしい。
そう言えば、彼はまたすぐに目を閉じた。
いつもより幾分幼い寝顔を眺める。
長年一緒にいるこの恋人は、お世辞にも素直とは言えない自分の本音を正確に見分けるのが得意だ。
なんもないよ、がほんとにそうなのか、それとも強がりなのかも瞬時に判断してくれる。
今だって、ほんとに大丈夫なのがわかったからまた寝たのだろう。
目にかかっている前髪を指先ではらってやる。
昔から、何があっても俺の前ではぶれないでいてくれた薮。
どれだけ迷っても、悩んでも、笑ってそばにいてくれて。
常に俺を導いてくれて。
恋人になってからは、素直になれない俺の分まであふれるほどの愛情表現をしてくれる。
ごめんな、素直になれなくて。
いつもありがとう。
……なんて、心の中でつぶやいた。
薮がちゃんと寝ていることを確認して、思いきって抱きついてみる。
無意識なのか、寝たまま同じく回された手に、頬が緩んだ。
いつもの匂いと人肌のぬくもりに、再び眠気が襲ってくる。
ああ、明日の仕事はなんだっけ。
忘れちゃったけど、薮と一緒ならいいな。
ぼんやりした頭。
今なら自分から言える気がした。
光「……おれも、あいしてる」
いつもは絶対言えない、薮への返事。
ささやくように吐き出して、眠気に身を任せた。
朝になったら、薮の好きなものを朝食に作ろう。
不器用な俺の、下手くそな愛情表現として。
それだけしかできないけど、薮はきっとわかってくれるから。
目を閉じる寸前、薮の口角があがったように見えたのは、多分気のせいだ。
ーーーーーーーーーーーーー
ツンデレ光くんの、愛の告白ならぬ愛の独白。
ほんとに薮くんが起きていたのかどうかは、ご想像にお任せします。
気が向いたら薮くんサイドも書こうかな…
さて、これにてこちらもいっぱいになりました。たくさんの評価やお気に入り、コメントなど本当にありがとうございます。
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まそら(プロフ) - けーた。さん» ありがとうございます！長くなってしまいましたがなんとか終わらせました(汗 お気に召したならなによりです〜これからもよろしくお願いします！ (2017年3月26日 13時) (
レス) id: 3d265cde62 (このIDを非表示/違反報告)
けーた。(プロフ) - まそらさん» まそらさん〜！もう すごく好きなひかけとにどきどきが止まりません…！もう少し続くのかなと思ったのですがあまりの嬉しさに思わず来てしまいました^^;ありがとうございます*嬉しい〜♪ (2017年3月25日 22時) (レス) id: 5c1dcb4cdc (このIDを非表示/違反報告)
まそら(プロフ) - けーた。さん» リクエストありがとうございます！ぜひ書かせていただきます(*^^*)少々お待ちくださいね！ (2017年3月22日 8時) (レス) id: 3d265cde62 (このIDを非表示/違反報告)
まそら(プロフ) - さくらさん» お気に召していただけたようで何よりです！次の甘々もがんばりますね(*´∀｀) (2017年3月22日 8時) (レス) id: 3d265cde62 (このIDを非表示/違反報告)
オシャレマッシュ(プロフ) - まそらさん» いえいえ！はいっ！もっと闇感あるの楽しみにしてますっ！やぶいのには共依存にも程があるほど共依存してて欲しいです← (2017年3月22日 3時) (レス) id: d07691df96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まそら
| 作成日時：2017年3月5日 21時
