たんぺんしゅう。(JUMP×JUMP)

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光「でも、ひとつ条件。別の、なんか手抜きでいいから薮にも作れ」

伊「ええー…」

なんでよ。めんどうなことになる未来しか見えないんだけど。

わりと嫌そうな顔をしたら、光が頭を撫でてくれた。

光「山田のためだよ。いのちゃんが手作りなんて初めてでしょ？薮が知ったらまた当たり強くなるよ」

あとは俺の腰のため…って目をそらす光。
そうか、二人のためなら仕方ない。

伊「おっけい、了解！」

光「よし、じゃあいっちょやりますか」

伊「はーい！」



それから、悪戦苦闘しながらがんばること数時間。
つかれたー。

光「お疲れさま」

紅茶をいれてくれる。焼き上がったら完成だって。

俺、がんばったくない？
光のおかげではあるけど。

ソファーでぐでーんとしていると、光が隣に座る。

なんか久しぶりだなぁ、この感じ。最近でこそずっと山田と一緒にいたけど、昔はずっとここが定位置だった。

そーだ、せっかくだし色々きいてみよっと。

伊「ねぇねぇ、薮のどこが好きなの？」

尋ねれば肩が跳ねる。
わ、面白そうな予感。

伊「ねぇ教えてよ。こんなのめったにないじゃんかぁ」

ぎゅっと抱きつく。普段はこんなこともできないしね。

わくわくして見上げると、光は耳まで真っ赤にして口を開いた。

光「…甘えたで、帝王で、束縛激しいけど、……ちゃんと俺のこと見ててくれるとこ」

伊「わ、すてき」

ほんとに夫婦みたいだよね。あとで薮に話してあげよう。

にこにこしていたら、あー！と叫んだ光に指さされた。

光「いのちゃんこそ！山田のどこが好きなわけ？」

伊「ふぇ！？」

うわ、反撃されたし。
え、どこ、どこだろう。

いつもかっこよくて、優しくて、料理上手で。
とことん甘やかしてくれて、毎日好きって言ってくれて。

伊「ぜ、ぜんぶ…？」

おずおずと答えたら、光はちょっとさみしそうに笑った。

光「…そっか」

伊「ひかる？」

光「いや、子離れしなきゃなって」

伊「なにそれぇー」

光「心配だったんだよ、付き合うってきいて。でも上手くいってるみたいでよかった」

よしよし、って頭を撫でられる。なんだか胸がきゅうっとなって、もういっかい抱きついた。

伊「けんかしたら光のとこ行くー」

光「嬉しいけど、薮は？笑」

伊「やだ」

光「…あいつ泣くぞ」

だってうるさいし。

伊「山田がなんとかしてくれるもん」

光「まぁ、ほどほどにな…」

伊「うん」

山田ももちろん好きだけど。
やっぱり二人も好きなんだな、俺。

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