愛がどうとか。〜最終章〜 (ページ8)

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素直にページ8

『はぁ、はぁ、』

この日ほど全力で走った事はこれまで無い

それくらい、ただただ洸人に会いたくて

今更だけど

ちゃんと私の気持ち素直に伝えたくて

とにかく走った

『あ、』

遠くの方に洸人の後ろ姿が見えて

『洸人！！！！』

人目も気にせず、大きな声で呼ぶ

私の声が届いて

洸人が驚いた表情で振り向く

洸人の目の前で立ち止まり、

両膝に手をつき
下を向いて上がった息を整える

『っはぁ、はぁ、はぁ、』

洸人『え、A？』

息が苦しくてなかなか話し出せない私に

洸人はいつものように目を細めて優しく笑った 

洸人『んふふ、なーに。』

ようやく息が整ってきて

頭を上げ、洸人と真っ直ぐ向き合う

.

洸人『どうしーーーーーー『好き。』

.

.

洸人『、、、、、え』

2人の間に

優しい風が吹き髪が揺れる

.

『洸人の事が、好き。』

.

洸人『、、、え？

ぃや、え？』

あまりにも唐突な私の告白に

ただただ困惑する洸人

ふぅ〜っと深呼吸をした

素直に。
全部、伝えよう。

洸人の目を見て

私は口を開いた

『...初めて会った日
夕日が暮れるまで、ベンチに並んで座って話したあの時から
洸人は私の心にずっといた』

これまで伝えられなかった事を、

『ずっと看病してくれた時も、朝洸人帰っちゃっただろうなと思ってて本当は寂しかった。
だからあの時帰ってなくて実は嬉しくて、』

全部、

全部、

今度はちゃんと、届くように

『何も持たずに洸人に引っ張られてスタジオ出た時
もう我慢しないって言ってくれたの
あれも本当はすごく、嬉しかった』

素直に伝えよう。

『...あと、あの時私の部屋でしたキス、も

あっ私はね？

私は、今日までずっと忘れた事なんて一度も無かっーーーーー

言い切る前に

グイッと身体を引っ張られて

強く抱きしめられながら唇が重なった

そっと目を閉じる

瞳から涙がこぼれた