愛がどうとか。〜最終章〜 (ページ1)

今日:62 hit、昨日:73 hit、合計:10,407 hit

私と君との時間は。ページ1

〜〜〜♪

呼出音が切れて

〝迅『もしもし。どした？』〟

『...。』

スマホ越しに

迅君の声が耳に響く

〝迅『ん、あれA？』〟

心臓が飛び出ちゃいそうなくらい

緊張してる

『急にごめんね』

〝迅『全然〜』〟

『まだスタジオいる？』

〝迅『いるよ』〟

『よかった、私今ちょうどスタジオの下にいる』

迅『いつもAから来てくんない癖に〜笑』

『、、、、ちょっと、

出てこれたりする？』〟

いつもとは明らかに違う私の空気感を察したのか、

迅君は黙り込んで

少しの間沈黙が続いた

沈黙の後

〝迅『、、わかった。今行くから待ってて』〟

そう言って電話が切れた

待っている間

出会った瞬間から

これまでの事を思い出した

どれも、本当に

ほんとに幸せな場面ばかりが浮かんできて

少し泣きそうになって

目を閉じる

スタジオの扉が開く音が聞こえて

階段を降りる足音が少しずつ私に近づく

迅『A』

目の前で足音が止まり

私の名前を呼ぶ。

目をそっと開けた

迅『お待たせ』

ニコッと笑っていった

『ん、ごめんね急に』

迅『んん～～疲れた～』

グ〜〜〜っと

両手を伸ばしながら言う迅君

私は真っ直ぐ迅君を見つめる

迅『んふふっな〜に～

そんな怖い顔しちゃってさぁ〜笑』

と言って、ふにゃんと笑った

そのいつも通りの迅君を見て、

ハッとした

最後だけど

最後だからこそ、

私達らしく
笑ってよう。

そう思って
顔を上げた

『わ。綺麗』

星って
東京でもこんなに見えるんだ

迅君も夜空を見上げる

迅『ほんとだ』

『でしょ？』

迅君と目が合って
あははっと笑い合う

すぅーっと大きく息を吸って

空を見上げる

悲しむと分かっていて告げる事は、こんなにも苦しいのか。

『迅君、』

迅君の方を見る

『私とーーー

迅『別れよっか』

夜空を見上げたまま迅君は被せて言った