雨風の中、日向に芽吹く―7

・智side ページ21

ーーーーーー



久しぶりに個人で地方での仕事。



耳をでっかくして、赤と青の帽子被って黄色の服着て・・・

改めて考えると30歳で何やってんだろ笑





そんなことを思いながらホテルの部屋でひとり寂しく呑んでいると、けたたましく携帯が鳴った。

しかもテレビ電話だ・・・







.







「・・もしもーし？」

(リーダーお疲れさま！)





相葉ちゃんの明るい声と笑顔はいつだって俺を元気にしてくれる。

しかも今日は・・・その隣に可愛い末っ子。




でも、その姿は画面越しでも目が赤くて。
恐らく泣いたんだってことが分かる。

今日は翔くん家のはずなのに相葉ちゃんと一緒だし。



こりゃなんかあったな・・・





こいつが泣く時の相場は強がりの仮面が外された時と、マジで怒られた時って決まってんだけどね笑







.







「・・・なんかあった？笑」

(ふふっ、うん。ちょっとリーダーの力借りようかなって・・・)




苦笑している相葉ちゃんの隣で、何やら我慢してるように口を閉ざしているA。


マジでなにがあった？怖えんだけど笑








(今は・・・ホテルの部屋に居る？)

「そう。ひとりで呑んでた、」

(久しぶりに地方でひとりじゃん？寂しくない？)

「ははっ！すげー寂しい！笑」





いつもはこんな広い部屋でも誰かしら近くに居るもん。


寂しいに決まってんじゃんかーー







ちょっと酔っ払ってるのもあるし笑って言うと、相葉ちゃんはパッと明るい顔をして隣のAに何やら話してる。





"リーダー寂しいって。Aも言ってごらん"




その声とともに、カメラがAに向いた。







.







(・・・っ、さ、とにい、)

「どうした、？」

(・・・・・・・っ、さみしぃ、・・っ)

「あっはっは！」






大泣きじゃねえか・・・笑

Aの頭をぐしゃぐしゃと撫でながら相葉ちゃんは笑ってるし。なんなんだ？






.







(リーダーありがとう！やっと言ってくれた、)

「なに・・・なんなの？笑」

(あのね、Aがね？寂しいって言っちゃいけないって思ってるみたいで、)






あー、強がってたパターンか。

寂しいって言っちゃいけない？っていうのはよく分かんねえけど・・・






.







「A？」

(っ、さと、にい・・・っ)

「そんな泣くなって笑。嵐好きでしょ？」





俺の唐突な問いに不思議そうな目を向ける。


・・・上手く話せっかな？笑



＊＊＊

・→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す