あなたに出会えたキセキ 07 (ページ30)

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一目でも彼女の姿をページ30

【 sho 】

雅紀「翔ちゃんっ！！」

打ち合わせが終わり楽屋へ戻ると、なぜか泣きそうな相葉くんが俺の名前を呼んだ。

「どうしたんだよ？」

手には俺の携帯が握られている。

頭にハテナマークがたくさん浮かんだ。

雅紀「Aちゃん、頭打って意識不明だから仕事が終わったら病院に来てほしいって…光貴くんが！」

まるでマシンガンのように話す彼の言葉と、情報量の多さに頭が付いていかない。

意識不明って何？Aが？？

ふと目に入った時計。

あと三十分もすれば収録が再開する。

リーダーとニノはドラマの撮影があってスケジュールが合わないせいか、なかなか五人で集まる機会が作れない。

だから、こうやって三本撮りをするのだ。

相葉くんの焦りようにただ事ではないと理解しているが、嵐としてこの場にいる以上迷惑は掛けることは出来ない。

「分かった、仕事が終わったらちゃんと行く。」

光貴が仕事が終わった後で良いと判断したのなら、俺はその言葉を信じる。

確かにAのことは心配で心配で仕方ないけど、プライベートのことを優先するわけにはいかないのだ。

とりあえず光貴に電話を掛け直そうと、相葉くんから携帯を受け取り楽屋の外に出た。

「光貴？Aは？！」

メンバーの前では冷静を装っていたが、一人になった途端、言いようもない不安が押し寄せた。

Aは……、Aは無事なんだよな？

光貴『机の角に頭打って今も意識ないけど、検査しても異常はなかった。

今日、明日は大事をとって入院させるから、Aの着替え持って来てくれないか？』

そんな光貴の話を聞きながらも、収録後のスケジュールを思い出す。

確か個人の仕事をした後、松潤と雑誌の撮影。

予定終了時刻はおそらく、深夜二時を回るだろう。

「遅くなると思うけど絶対行く。」

どういう経緯でそうなったかは分からないが、やっぱり彼女の姿を一目見ておきたかった。