素直に受け取れない ページ21
【 ueno 】
初めて橘先生に会った時、こんな華奢な女性に救命医が務まるのかと思った。
でも実際に側で見ていて、彼女ほど救命医に向いている医者はいないと心からそう思えた。
岡部「上野くんさ、そんなに渡辺さんの担当が嫌？」
渡辺さんというのは、俺が初めて任された末期癌の患者のことだ。
腫瘍内科のベッドが空き次第、彼女は移動させられるはずだったのに、なかなかその連絡が来ない。
岡部「嫌なら俺が変わってやるけど…。」
斜め前の席に座る岡部先生は俺の二つ上。
たった二歳差なのに、医療技術の違いを嫌なぐらい実感させられている。
岡部「これからもそうやって、目の前の患者から逃げるの？」
二人っきりの楽屋に響く彼の声。
その言葉が胸に突き刺さった。
「逃げてなんか……ないです。」
胸を張って大きな声でそう言えないのは、心のどこかで認めている自分がいるから。
死を待つだけの患者と向き合うのが怖いからだ。
岡部「救命医ってさ、評判悪いでしょ？」
医学部の友達で救命医になったのは俺だけだよ〜と笑っている。
確かに俺の周りの奴らも、救命医にだけは絶対になりたくないと言っていた。
体力的にも精神的にもキツイし、その割には給料が安い。
んなものに誰がなりたがるんだと思っている。
岡部「でも、騙されたと思ってA先生の側で研修してみ？
その考え、絶対に覆されるから。」
橘先生の側で研修医をしていた岡部先生が言うのだから、間違いないとは思うんだけど……。
今の俺は、まだその言葉を素直に受け取ることは出来ない。
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ホッシー(プロフ) - すごくおもしろいです！やっと呼び捨てで呼んでくれましたね！ (2014年9月1日 23時) (
レス) id: 4954e860fa (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - ありがとうございます。 (2014年4月19日 21時) (レス) id: a9cb2e60e4 (このIDを非表示/違反報告)
saori(プロフ) - ユイさん» 実はわたしも、呼び捨ての方が良かったりします (*^^*)笑 (2014年4月19日 19時) (レス) id: 18aab62f3b (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - すいません。ありがとうございます。 (2014年4月19日 19時) (レス) id: a9cb2e60e4 (このIDを非表示/違反報告)
saori(プロフ) - じぇいめろさん» まだまだ気長に続ける予定なので、ちょこちょこ覗きに来てください！ (2014年4月19日 17時) (レス) id: 18aab62f3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：saori
| 作成日時：2014年4月14日 19時
