運命の出会いってこういうことですか？[佐野玲於] (ページ13)

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13話ページ13

「ふぅー…」

疲れたな…

課題を終わらせて、携帯に目をやる。

あっ、佐野さんからだ。

何気ない綺麗な景色の写真。

癒される…

私がこの写真にする返信は、何気ない街中の写真。

お洒落な裏通りとか、隠れたお店のご飯の写真とか。

最近は、写真を送りあうだけのLINEが多い。
普通の会話もするが、この何気ない写真を送りあうことが結構好きだったりする。

「あっ…やってしまった…」

「遅れてしまってすみません…！」

「別にいいよ、わざわざ手伝ってくれるんでしょ？」

師匠の元アトリエは、今、師匠の事務所のようなものになっている。

メイクからカメラマンまで、全部のスタッフが揃っている。

スタイリスト集団って感じかな…？笑

今日はそのちっちゃいパーティーというかお披露目というか、そんなものに呼ばれた。

「それで、私は何を手伝えば…？」

「これ着て、あそこでメイクしてもらって？」

「は…？」

師匠が指差すその先には、よく知ってるメイクさんとヘアメイクさん。

と、ワインレッド色のドレスだった。

ん…？

「だ…騙された…」

カーテンの裏から心の中でぼやく。

お披露目会には何人かモデルさんがいる。

その中に私はなぜか混じって、ランウェイを歩くように部屋の中に出て行く。という感じだ。

サッとカーテンが開き、胸を張って歩き出す。

少人数ながら、一斉にこちらに注目するので緊張する。

その中に、ある人を見つけた。

あっ…佐野さん…

こちらを驚いた表情で見る佐野さんの姿があった。

「お疲れ様です。久しぶりですね」笑

玲「あっ、はい…」

「？私の顔何かついてます？」

私の顔をみて、固まってしまった佐野さんの顔を覗き込む。

玲「っ！」

ぱっ

「あっ、すみません。近かったですか？」

玲「あっ、いや、その、」

何か、佐野さんが言いかけたときだった。