失敗�� ページ17
せめて髪はほどいておこうと
キツく縛ってあったゴムを取った
全身が解放されて
空も飛べそうな錯覚に陥る
彼の家からは遠くない
徒歩20分ほどで着く距離
もう少しかかるだろうと
靴を脱ぎかけたとき
インターホンの音が響いて
私を呼んだ
急いで扉を開くと
途端に彼の匂いに包まれた
呼吸がいつもよりも荒くて
聞こえる心臓の音も早い
急いできてくれたことを
隠すことなく教えてくれた
貴「ダーマ、くん…」
彼の腕の中でまた泣いてしまった
涙が彼の服に滲む
ﾀﾞ-ﾏ「お疲れ、我慢せずに泣け」
暖かい言葉に止まりかけた涙がまた溢れた
貴「好きって言って…お願い…」
ﾀﾞ-ﾏ「好きだ。愛してる。俺はAが頑張ってること知ってるから」
さっきよりも強く抱きしめられる
少し痛いくらいが今は丁度よかった
暫くすると肩を掴まれて体が離れた
涙は止まっていなかった
何故か止まってくれなかった
彼の温かくて大きな手が私の頬を包む
徐々に顔が近づくので目を瞑った
ほんの一瞬だけ
唇が触れた
ﾀﾞ-ﾏ「なんかあったらすぐ話せ。迷惑とか俺は思わねぇから。逆に頼られて嬉しいから」
恥ずかしそうに顔を赤くする
ﾀﾞ-ﾏ「頑張ってきたことが今すぐ報われなくても誰かが知ってくれてるし、いつか意味を持って帰ってくるから」
飾らない彼のセリフ
不器用だけど真っ直ぐな彼の想いそのままで
すごく温かかった
貴「ダーマくん、チュー」
少し子供っぽいのは仕方ない
きっと疲れてる
うん、疲れている
ﾀﾞ-ﾏ「ん」
ギュッと押し付けられた唇
貴「もっと」
ﾀﾞ-ﾏ「あーあ、止まんなくなってもしらね」
艶やかに微笑みながら
そっとメガネを外す彼
長い夜が始まる
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 59人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆりりん(プロフ) - *ののさん» ありがとうございます！ (2019年12月28日 22時) (
レス) id: 0d2ab6c1fe (このIDを非表示/違反報告)
*のの(プロフ) - ゆりりんさん» なるほど…！少し検討してみますね！ (2019年12月28日 22時) (レス) id: 139f9ac550 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - *ののさん» はい！好きで全部読んじゃいました笑 えっと、マサイさんの幼なじみとかって書いて頂けますかね…?? (2019年12月28日 21時) (レス) id: 0d2ab6c1fe (このIDを非表示/違反報告)
*のの(プロフ) - ゆりりんさん» ホントですか！？嬉しいです！ありがとうございます！また新しいお話を作りたいと思っていますがどんな感じがいいでしょうか？ (2019年12月28日 21時) (レス) id: 139f9ac550 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - *ののさん» ありがとうございます！もう全部読んじゃいました！笑 (2019年12月28日 21時) (レス) id: 1a501ad80d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鳴海 帆南 | 作成日時：2019年10月12日 10時
