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第4話 ページ6

「随分物騒なことになったね」


「…人使いの荒いじじいだ」


連絡を受けて合流した同じ神覚者であるレイン・エイムズによって私が何かする前に開かれた隠し扉を見やって苦笑する。


「私に任せてくれればよかったのに。」


「魔力の消費は抑えておいた方がいいだろ。お前は魔力がそう多くない」


「だから提案したんだけど」


「何か言ったか」


「あ、うん何でもないよ。はやく行こう」


階段を駆け下りながらなかなか面倒くさいことになったなと考える。無邪気な深淵(イノセントゼロ)が学校に入り込んでいたなんてね。神覚者のお膝元でよくもまあ。しかもマッシュ・バーンデッドが攫われた友人を助けに今まさに大激闘を繰り広げているそうで。トラブルによく巻き込まれる子だね。


「状況は」


「うん、レアン寮の子かな、この先で倒れてるね。あとは…ああ、オーターさんの弟さんかな、負けてるねマッシュ・バーンデッドの仲間の誰かに。それと…この子はアビス・レイザーくんだ。この子も誰かに負けたんだね。位置が動いてない。ああ、それと。レインくん、フィンくんもいるみたいだけど大丈夫かな。こっちはまさに戦闘中って感じだよ」

その言葉に、ものすごく複雑な感情がないまぜになったしかめ面でため息をついたレインくんは「そこまで案内しろ」と言った。顔が普段の五割増しで険しいのでちょっと心配である。


「フィンくんのことが心配なんでしょ?ならそう言ってね。こっち!」


走りながらも「魔力探知」を続行する。想像以上に色々なところで戦いが起こっているらしく、大きめの魔力の動きが分散していてわかりにくい。けれど。


「レインくん、次の角を曲がったら多分そこにフィンくんはいる。私は他を探すよ」


無邪気な深淵(イノセントゼロ)の配下がどこに潜んでいるかわからない状況で単独行動は危険だ、俺と一緒にいたほうが」


優しいねレインくんは。こんな"偽物"神覚者なんかに対しても心配をしてくれる。だけど。


「大丈夫。私も神覚者だから。この程度で負けはしない。じゃあ、私は行くね」


レインくん、私はあなたに、一つ嘘をついているからね。嘘ついてるやつが負けるなんて、あまりにもみっともない。


しばらく走ってから私は足を止めた。


「うん。もう大丈夫ね。ほら、隠れてないで出ておいで。バレバレよ、無邪気な深淵(イノセントゼロ)の手駒さん」

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ヒスイ - 私もハイキューの映画見に行きました! (3月2日 14時) (レス) @page17 id: 5e58244371 (このIDを非表示/違反報告)
りこまる - あ、間違えました、同じなんですか? (2月13日 20時) (レス) id: 9a77c9521c (このIDを非表示/違反報告)
りこまる - コメント失礼します!好きな作品同士のクロスオーバー最高です!あと質問です!夢主ちゃんの容姿って前世と今世って同じなんですな? (2月13日 1時) (レス) @page5 id: 9a77c9521c (このIDを非表示/違反報告)
蓮月 - 好きな作品のクロスオーバー✨とても面白いです! (2月12日 21時) (レス) @page5 id: ffc93dad91 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:魔桃 | 作成日時:2024年2月11日 17時

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