第21話 ページ25
それは昔から疑問だった。
パパは私が小さい頃からこの魔法を使って戦っていたけれど、私の前以外でその魔法を使ったことは無い。ママとお姉ちゃんの前では使っていたこともあるそうだけど、家族以外の人がいる前では決して使わない。
そして、どうやらこの魔法はパパ以外使えないようなのだ。名実ともに最強クラスの魔法使いであるお姉ちゃん、ママも。もちろん私もそうだった。
この魔法は、あくまでも私の考えだけど、この世界の魔法らしくない。この世界の多くの魔法は、魔法でなにか現象を起こし、それを用いて攻撃する。重力しかり、爆発しかり、砂や炎しかり。私たちの天気もそうだ。
けれどこの魔法は、どこまでも純粋な魔法そのもので攻撃している。
だからなのだろうか、父がこの魔法のことを家族以外の前で教えたことも使ったこともなかった。
「モルモットにはされたくないからね」
そうにこやかに告げると父は来た道を戻る。どうやら今日の仕事はこれで終わりらしい。
昔から、父は私にはよくこの魔法を見せてくれた。私はこの魔法を使ってみたくて、同じようにやってみたこともあった。けれど全くできなかった。他の人と同じように。
その時父は言ったのだ。
「Aはきっとこの魔法を使えるようになるよ。この魔法が持つ本当の意味を理解したらね」
と。
それがどういう意味なのか、言われてから10年以上たった今でも分からない。分かるのは、何故かその魔法を見る度に胸がきゅう、となることだけ。なぜそうなるのか、それを考えても頭が痛くなるだけでちっとも分からなかった。まるで頭にとても濃いモヤがかかっているかのように。
「今日は勝負に負けた可愛いAの作ったラザニアが夕飯に食べたいなあ〜」
「わかったよ、じゃあ今日はそれにする！」
そんなふうにして、数日をすごして私の短い休暇は終わりを告げ、ガン泣きする父とそれを諌める母(気絶させたとも言う)、珍しく研究室から出てきたお姉ちゃんに見送られて、私はイーストン魔法学校へと戻って行った。
〜作者より〜
オリジナルパートにお付き合いいただきありがとうございました！お父さんがAと同じく葬送のフリーレンの世界から来た、という設定はとあるシーンを書く為にどーしても必要だったので入れています。
お父さんことフェルトはちょうど今現在アニメ放送中の一級魔法使い試験編ですでに一級魔法使いとして登場している…つもりです。
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ヒスイ - 私もハイキューの映画見に行きました！ (3月2日 14時) (
レス) @page17 id: 5e58244371 (このIDを非表示/違反報告)
りこまる - あ、間違えました、同じなんですか？ (2月13日 20時) (レス) id: 9a77c9521c (このIDを非表示/違反報告)
りこまる - コメント失礼します！好きな作品同士のクロスオーバー最高です！あと質問です！夢主ちゃんの容姿って前世と今世って同じなんですな？ (2月13日 1時) (レス) @page5 id: 9a77c9521c (このIDを非表示/違反報告)
蓮月 - 好きな作品のクロスオーバー✨とても面白いです！ (2月12日 21時) (レス) @page5 id: ffc93dad91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魔桃 | 作成日時：2024年2月11日 17時
