第1話 ページ3
イーストン魔法学校。それは、魔法界の中枢を担う数々のエリートを送り出してきた由緒ある名門校である。
そしてその学校の廊下を現在進行形で歩いているのはこの学校の卒業生であり、神覚者にもなったいわゆるエリートの1人である、A・セレスト。
なぜ卒業生である彼女が学校にいるのかと言うと、それはもちろんウォールバーグ校長先生に呼び出されているからである。
ｺﾝｺﾝ、とノックの音に続いて「セレストです。入ってもよろしいでしょうか…？」という声が響く。
「入って良いぞ」
その答えに一瞬の間を置いて開かれた扉から現れた人影に、ウォールバーグ校長はうむ、と頷く。
「校長先生、お久しぶりです。それで、本日はどのような御用で私をお呼びになられたのでしょうか…？お手紙の方には詳しいことは何も書かれていなかったので…」
そう言う少女は神覚者、つまり神に選ばれた存在と呼ばれるに値する人物であるはずなのに視線は俯きがちで体も縮こまっている。
「それはのぅ、君にしか頼めない案件が発生してしまってな。…あぁ、楽にしてくれて大丈夫じゃ。Aくんが人見知りなのは知っておる故、この場にはわしと君以外誰もおらんよ」
その言葉にほっとしたような顔をしたAは先程とは打って変わった毅然とした顔つきで再び校長へと向き直った。
「ここだけの話なんじゃが。このイーストン魔法学校に、今年魔法不全者の少年が編入したんじゃ」
「えっ？」
「魔法不全者の少年が編入したんじゃよ」
「それは…だ、大丈夫なのでしょうか？バレたらその子が殺されかねない…そんな危険な…」
そう狼狽える少女に、ほっほっほ、とウォールバーグ校長は微笑む。
「そこでその子の心配をしてしまうところがきみらしさじゃな。時に、そんなきみにしか頼めないことがある。＿＿＿＿この学校に非常勤講師として勤め、その少年＿マッシュ・バーンデッドを見守って欲しい」
つまり、ある意味では魔法不全者を匿う共犯者になるということだ。バレたら普通に罰せられる…下手すれば死刑である。しかし。
「承りました、ウォールバーグ校長先生」
少女はすぐに答えを出した。
「きみなら了承してくれると思っておったぞ。ちなみに、理由を聞いてもいいかの？」
「きっとそうするべきだからです」
少女の答えは抽象的で。けれどあまりにも強い思いをはらんでいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 158人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ヒスイ - 私もハイキューの映画見に行きました！ (3月2日 14時) (
レス) @page17 id: 5e58244371 (このIDを非表示/違反報告)
りこまる - あ、間違えました、同じなんですか？ (2月13日 20時) (レス) id: 9a77c9521c (このIDを非表示/違反報告)
りこまる - コメント失礼します！好きな作品同士のクロスオーバー最高です！あと質問です！夢主ちゃんの容姿って前世と今世って同じなんですな？ (2月13日 1時) (レス) @page5 id: 9a77c9521c (このIDを非表示/違反報告)
蓮月 - 好きな作品のクロスオーバー✨とても面白いです！ (2月12日 21時) (レス) @page5 id: ffc93dad91 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：魔桃 | 作成日時：2024年2月11日 17時
