Episode6 ページ8
初撃はカイエ達第四小隊が一斉射、ついでシン達第一小隊が背後から砲撃。
打ちぬかれた斥候型と戦車型が頽れ、即座に戦闘態勢を取り戻したレギオンの隊列に、残り全機が放った砲弾が突き刺さる。
炸裂し、轟音。
バラバラになった金属片とマイクロマシンのぎんいろの血が黒煙を背景にして飛び散り、同時に全25機のジャガーノートが射撃位置を離脱。
あらゆる方向に散らばりながらも組織的に。僚機を狙わんと砲を向けるレギオンに砲撃の雨を降らせる。その隙に最初の射撃を行った第一及び第四小隊は別の敵機の側面に回り込もうとする。
ジャガーノートはとんでもない駄作機だ。ただの重機関銃にも撃ち抜かれる薄いアルミ合金装甲に、たいしてすごいわけでもない運動性能。あまりにレギオンと比べて火力不足な貧弱な主砲。
とんだりはねたり、いつかのロボットアニメみたいな動きなんて夢のまた夢。思わず笑えるくらいの走る棺桶具合。
そんなジャガーノートは正面からレギオンとやりあっても勝てない。だから仲間と連携し、機動力を地形や遮蔽でカバー、装甲の薄い側面や後方に回り込んで狙うのが常。
この地で散ったエイティシックスの先達たちが夥しい犠牲とともに編み出し、磨き上げてきた戦術。それを身に着けながら生きてきた私達スピアヘッド戦隊のプロセッサーは、誰よりもこの戦い方に慣れている。
基本的に連携を組む時の小隊内の連絡、指示も不要。だって何をだれがやらなければいけないかわかるから。間違いなく作戦行動を行える。
それから。こちらには死神の加護が。
それから。
「フローラルキラー。」
『わかってる。』
敵部隊の連携をかき乱すため、あえて単騎で突出し敵陣に深く切り込むのが私とシンの____前衛のなかでも近距離戦闘に特化した私たちの役目であり、最も得意な戦い方。最前線の両端に分かれて攻めているから、連携も援護もできない。でも。
素早く、そして絶え間なく思考を巡らせ、つぎにレギオンがいるのは、来るのは、そう思いながらトリガを引き続ける。そしてその合間に隊員に指示を出す。この役割は、戦隊の作戦立案係でもある私か、戦隊長であるシンの役目。
『___第三小隊、交戦中の小隊を誘引して南西に後退を。第五はそこで待機。射撃ゾーン入ったら一斉に仕留めて。』
______戦場に君臨する冷酷な殺戮者が。その目を開く。______
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明理(プロフ) - 名前変換できるようにしてくださいぃぃぃぃ!お願いしますっ!!! (2022年1月13日 19時) (レス) @page3 id: 0be17a4bd3 (このIDを非表示/違反報告)
わん、 - 名前変換できるようにしてくれると嬉しいです〜 (2021年11月29日 9時) (レス) id: 881e047310 (このIDを非表示/違反報告)
虚(プロフ) - 86エイティシックスの小説はなかなかないので面白かったです!リクエストでシンとアイリスが幼児化(記憶無し)して可愛がられたり、逆に記憶ありで可愛がられてワタワタするのも見てみたいです!続きお待ちしております! (2021年10月12日 23時) (レス) id: 84abc4118b (このIDを非表示/違反報告)
マロン - 86 エイティシックスの夢小説やっと見つけた!続きめっちゃ気になります!頑張って下さい! (2021年8月1日 8時) (レス) id: 69d7d22715 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まっふるもふもふ x他1人 | 作成日時:2021年5月5日 8時