Episode5 ページ7
新たな同調対象が知覚同調に加わった。
「ハンドラー・ワンより戦隊各位。＿＿＿＿すみません、遅くなりました。」
銀鈴が揺れるがごとく可憐な声が同調を通じて耳に届く。さぼらないでちゃんとつないでくるあたり、まだましなほうだ。
「敵部隊が接近中です。ポイント二〇八にて迎撃を、」
「アンダーテイカーよりハンドラー・ワン。認識しています。ポイント三〇四にて展開済みです。」
淡々とシンが答え、ハンドラーが息をのんだのが同調越しにも伝わる。
「早い。・・・・・流石ですね、アンダーテイカー。」
本気で感嘆しているハンドラーの反応を耳に流しつつ、当り前よ、と心の内で呟く。シンを含むこの戦隊プロセッサー全員が持つパーソナルネームは歴戦を表す一種の称号。
多くのプロセッサーは小隊名と数字を組み合わせた識別符号を作戦中使用する。がしかしそれにあてはまらないのは、この年間生存率0.1パーセント未満の戦場で一年生き延びた古参兵のみ。
ばたばたと死んでいくなかまたちにはない素質、才能、そしてそれを磨き上げる悪運に恵まれた、悪魔か死神に気に入られた化け物たち。そしてそいつらはそのあともなかなか死なない。幾千もの仲間の死骸の傍らで、幾度となく訪れる死線をかいくぐって生存する。
そんな彼らに死にゆくプロセッサーたちが奉った敬意と畏怖の称号がパーソナルネーム。多くが達しえない高みに達した英雄に、そして敵と仲間の屍を踏み越えて戦い続ける戦鬼に対するせめてもの。
そしてこの戦隊のプロセッサーは全員がこの号持ち、それも戦歴四、五年の再古参兵ばかりだ。ただ壁の中で見たこともない敵に怯え私達を監視するだけの白ブタの指揮などなくても一切困らない。
しかし同時にかんしんする。さきほどハンドラーが指定したポイントは、現時点で襲撃を認知した際の最良迎撃地点。ただ監視するだけの能無しブタではないらしい。そう思う、と同時に、、
警告音。
脚先の振動センサの感。ホロウィンドウがポップアップし、ズームオン。
前方のビルの残骸が侍るメインストリートの緩やかな勾配の中央、陽光を載せる頂点に小さく黒影、瞬く間に一面に広がり、スクリーンがすぐさま敵性ユニットのブリップで埋まる。
そして恐るべき重量、巨体をもってして、レギオンの軍が進行する。そして予め包囲しておいたキルゾーンに＿＿＿＿＿＿入った。
「撃て」
シンの号令に、全機がトリガを引いた。
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明理(プロフ) - 名前変換できるようにしてくださいぃぃぃぃ！お願いしますっ！！！ (2022年1月13日 19時) (
レス) @page3 id: 0be17a4bd3 (このIDを非表示/違反報告)
わん、 - 名前変換できるようにしてくれると嬉しいです〜 (2021年11月29日 9時) (レス) id: 881e047310 (このIDを非表示/違反報告)
虚(プロフ) - 86エイティシックスの小説はなかなかないので面白かったです！リクエストでシンとアイリスが幼児化(記憶無し)して可愛がられたり、逆に記憶ありで可愛がられてワタワタするのも見てみたいです！続きお待ちしております！ (2021年10月12日 23時) (レス) id: 84abc4118b (このIDを非表示/違反報告)
マロン - 86 エイティシックスの夢小説やっと見つけた！続きめっちゃ気になります！頑張って下さい！ (2021年8月1日 8時) (レス) id: 69d7d22715 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まっふるもふもふ x他1人 | 作成日時：2021年5月5日 8時
