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Episode27 ページ30

死してなおも遺り続ける、壊さぬ限りは還れぬ亡霊の声の群れ。



正気を引きこすような絶叫の中、シンがそっと憐れむように息を吐くのが聞こえた。



「弔い合戦、か」







少佐にとって初めての出来事でも、私達にとってはこれが最初ではない。耳を聾する絶叫の中、幸い一人もかけることはなく、戦闘は終了した。



そういえば。初めて私がシンの同調を介して亡霊の声を聞いたときも。恐怖は感じなかった。一緒に初めて接続したセオやクレナも。流石に顔が真っ青だったというのに。



つくづく、私は壊れた人間だなと思う。壊れているのに思考はクリアで、一切の淀みがない。



ミリーゼ少佐は、もう。繋いでは来ないだろうなと無感動に思った。









だけれども、その私の予想に反してミリーゼ少佐は繋いできた。シンによれば、その日の夜にもう繋いできたらしい。大した胆力よね。



だけれどもやっぱりまだ慣れないらしく、吐き気がするような辛そうな気配が毎度の戦闘ではパラレイドからは漏れてきて。正直かなり邪魔である。



クレナなどはストレートにきついならやめればと心配してる訳ではないとはっきりわかる声で言っていた。



辛くはないのかと聞いてきたが。私達にとっては正確なレギオンの位置情報が得られるこのシンの索敵能力は、戦場においてこの上なく貴重なもの。同調を切るわけには行かないし、もう慣れたから。



それに。




私達はみんな程度の差はあれ、断末魔の悲鳴なんて何度も聞いている。死にたいのに死にきれなくて呻く声も。死だけはいつも平等に、唐突に訪れる。



第一戦区の第一戦隊、つまり全86区の中でも精鋭部隊と名されるスピアヘッド戦隊だって、それは変わらない。



当初二八名いた戦隊員は、つい昨日も、ダイヤとレッカ、それからうちの小隊からリラとミラルが死んで、今や15名にまで減ってしまった。



損傷して動けなくなったところを斥候型に狙われて。首を持っていかれるくらいならと拳銃で自分を撃ち抜いたレッカ。



レッカを援護しに行こうとしたところを自走地雷に取りつかれて、爆発したけれど死にきれなくてシンに介錯されたダイヤ。



戦車型に足止めされている間に斥候型の集中攻撃を受けて、ズタボロになってそのまま果てたリラとミラル。





そんなふうにみんなが死んでも、時の流れは止まらない。戦闘は毎日あるし、亡霊の声が消えることもない。

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明理(プロフ) - 名前変換できるようにしてくださいぃぃぃぃ!お願いしますっ!!! (2022年1月13日 19時) (レス) @page3 id: 0be17a4bd3 (このIDを非表示/違反報告)
わん、 - 名前変換できるようにしてくれると嬉しいです〜 (2021年11月29日 9時) (レス) id: 881e047310 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 86エイティシックスの小説はなかなかないので面白かったです!リクエストでシンとアイリスが幼児化(記憶無し)して可愛がられたり、逆に記憶ありで可愛がられてワタワタするのも見てみたいです!続きお待ちしております! (2021年10月12日 23時) (レス) id: 84abc4118b (このIDを非表示/違反報告)
マロン - 86 エイティシックスの夢小説やっと見つけた!続きめっちゃ気になります!頑張って下さい! (2021年8月1日 8時) (レス) id: 69d7d22715 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まっふるもふもふ x他1人 | 作成日時:2021年5月5日 8時

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