Episode12 ページ14
ハンドラーが一時沈黙してからそう言った。
「みんな四年目、というところかな。ああ、アンダーテイカーとフローラルキラーは一番長くて、今年5年目だ。」
その返答に、ハンドラーの声は弾む。
「では、お二人は任期満了まであと少しですね。………退役したら、何かやりたいことはありますか?行きたいところや、見たいものとか」
全員の視線が私とシンに集まる。
シンはやはり本から目も上げないまま、私は目を閉じたまま見も蓋もなく言う。
「さあ。考えたこともありませんね」
「別に特にないわ。」
「そう、ですか…………。………でも、今から考えておいてもいいかと思いますよ。何か思いつくかもしれませんし、きっと、楽しいと思います。」
ふっとシンが微かに笑った。近くでウトウトしていた子猫がぴょっと両耳を立てて振り仰ぐ。
「そうかもしれませんね。」
「そうかもしれないわね」
ああ、この人は、やっぱりわかってない。本当に彼らにとってコロラータがいないのは、あたりまえなんだなと、改めて感じた。
無意識に、手が胸ポケットに伸びる。ポケットの上から、私は「それ」を握りしめた。
100人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
明理(プロフ) - 名前変換できるようにしてくださいぃぃぃぃ!お願いしますっ!!! (2022年1月13日 19時) (レス) @page3 id: 0be17a4bd3 (このIDを非表示/違反報告)
わん、 - 名前変換できるようにしてくれると嬉しいです〜 (2021年11月29日 9時) (レス) id: 881e047310 (このIDを非表示/違反報告)
虚(プロフ) - 86エイティシックスの小説はなかなかないので面白かったです!リクエストでシンとアイリスが幼児化(記憶無し)して可愛がられたり、逆に記憶ありで可愛がられてワタワタするのも見てみたいです!続きお待ちしております! (2021年10月12日 23時) (レス) id: 84abc4118b (このIDを非表示/違反報告)
マロン - 86 エイティシックスの夢小説やっと見つけた!続きめっちゃ気になります!頑張って下さい! (2021年8月1日 8時) (レス) id: 69d7d22715 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まっふるもふもふ x他1人 | 作成日時:2021年5月5日 8時