射撃14 ページ19
少しショップから出ようとした時。
突然声をかけられた。
「やぁ、久しぶりだね。といっても、再会を懐かしむほどの時間ではないけどね」
そちらを見れば何時ぞやのトッププレイヤーのイツキだった。二重の意味で驚いた。だって、彼はトッププレイヤーでいちニュービーの顔なんて覚えてないと思ったからだ。寧ろ覚えがいいから人気なのかもしれない。
「昨日ぶりですね。確か大会の…、イツキさんでしたか？」
少し戸惑いながら言うと、彼は変わらず笑顔のまま応えてくれた。
「覚えてくれてたんだね。
でも、『さん』付けなんてしなくていいよ。多分歳も余り変わらないだろうし」
彼はそう言うが私は違うだろうな、と思った。だけれど、リアルの話はこの世界においてはあまり話さない方がいい。そう思った私は彼の言うとおりにした。
「イツキ」
私がそう言うと彼は嬉しそうに笑った。その笑顔は勘違いしそうになると思った。彼のこれは普通なんだ、そう言い聞かせた。
彼は話術が凄くて、私には真似出来なさそうだ。それでも、自分の思いは伝える、なんてすごいんだと思った。
「それでさ、キミに1つ聞きたいことがあるんだ。」
不意に彼がとう。私はそれにきょとんとした。
それに構わず彼は続ける。
「キミはどうしてNPCのアファシスをたすけようとしたんだい？大会の録画データが手に入ってさ、参加者の戦いの様子を見てみたんだよ。その中でキミの行動を見てね。
確かにアファシスはレアアイテムだけど、君が殺されたら手に入れらないだろ？
あの大会の中でキミのあの行動が理解できなかった。あまり表現としては好きでは無いのだけど、引っかかっているんだ。
もし良かったら教えてくれないかな？」
私は彼の言うアファシスがレアアイテムという言葉にトゲがないはずなのにチクリと痛んだ気がした。
「咄嗟の事だったんです。それに、守りたいことに意味なんてなくていいと思う」
私がそう言うと彼は不思議そうにしながら、でも何処か寂しそうで悲しみを含んだ表情で言う。
「…キミは理屈に拘らず動くことが出来るのか」
表情は直ぐに先程までの笑顔に変わった。先程の表情を見た後ではそれは作り物のように見えた。
「失礼、まずは礼を言うべきだったね。たいした知り合いでもない僕の質問に、虚偽や誇張を加えることなく答えてくれた。キミは“いい人”だ」
彼の言ういい人は私の想像するいい人では無いような気がして、問おうとする。
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マナ - 不快になったらすみません…どうやって作品書いてるか気になりまして…… (2022年4月3日 10時) (
レス) @page3 id: 484cf00743 (このIDを非表示/違反報告)
ALT(アルト)(プロフ) - にぃさん» ありがとうございます。できる限り更新させて頂きますので、気長にお待ちいただけると嬉しく思います。 (2020年2月29日 5時) (レス) id: 96e49245c1 (このIDを非表示/違反報告)
にぃ - フェイタルバレット大好きなんですけど小説あんまり見た事無かったので、嬉しいです！更新頑張ってください！ (2020年2月28日 22時) (レス) id: ee3ee8857e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ALT | 作成日時：2020年2月28日 17時
