番外編4 ※微裏 ページ17
彼は私を無遠慮に腕を引っ張り、ベッドに投げた。あまりの行動に私は何もすることなく彼のベッドに倒れた。
「何すっ…んっ…あっ」
彼は私を覆いかぶすとそのまま私の唇を貪った。すぐに口を開けさせてその間から舌を入れ、私の舌を絡めとる。何度も角度を変え、私の口の中を彼の舌と唾液で満たすかのように、何度も。私には余裕がなかった。心の余裕も、身体の余裕も、全部イツキが奪い取るのだ。生理的な涙が瞳に浮かぶ。息は出来なくて、何度も彼の胸板を叩いた。彼はビクともしなく、それでもやめることをしなかった。
部屋にはイツキと私の僅かな息の音とお互いの唾液が交わる音が響くのだ。それは何分たったくらいか、ようやく彼は私の唇から離した。
でもそれは一瞬で、また唇を奪おうとする。私はそれはダメだと思い、咄嗟に唇に手を当ててそれを阻止する。
「サラ、その手を離せ」
イツキの声はそれまで聞いたことがないくらいに低かった。私は一筋の涙が流れたことを肌で感じながら首を横に振った。
「そっ、なら離してもらうだけだね」
彼の瞳に浮かぶのはいつもの様な穏和なものではなく猛獣のようにぎらりと光るものだった。そして、私の手に唇をひとつ落としたあとにぺろり、と舐めた。それが1度であればまだマシなのだろう。私の瞳を見ながら何度も愛撫をする。それは官能的で思わず声が溢れ出てしまう。それを楽しんでいるかのように繰り返す。
言葉を発しようと手を離そうとするとそれを待っていたと言わんばかりに唇を奪う。
それに満足したのは何時間したくらいだろうか、漸く唇から離した。彼は余裕そうで満足気に私を見る。その瞳からは何があっても離さないことは明白だ。私自身は彼に乱された心身を落ち着けるのに精一杯だった。仮想世界だと言うのにも関わらず彼との長いキスは現実と言われても頷いてしまうくらいだ。
「さて、話を聞こうかサラ」
そういう彼に白旗印を上げた私は悪くない。
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これで番外編は終わりです。書きたいところがあったので書いたものなので、本編とは関係ないものです。
キスって裏ではないよね？と思いながら書きました。
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マナ - 不快になったらすみません…どうやって作品書いてるか気になりまして…… (2022年4月3日 10時) (
レス) @page3 id: 484cf00743 (このIDを非表示/違反報告)
ALT(アルト)(プロフ) - にぃさん» ありがとうございます。できる限り更新させて頂きますので、気長にお待ちいただけると嬉しく思います。 (2020年2月29日 5時) (レス) id: 96e49245c1 (このIDを非表示/違反報告)
にぃ - フェイタルバレット大好きなんですけど小説あんまり見た事無かったので、嬉しいです！更新頑張ってください！ (2020年2月28日 22時) (レス) id: ee3ee8857e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ALT | 作成日時：2020年2月28日 17時
