韓国旅行最終日。 ページ8
すると、突然
ーーﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ
と部屋のベルが鳴った
ドアを開けると
目と鼻の先が真っ赤になった汐恩が立っていた
とにかく部屋の中に汐恩をいれると
そのままぎゅっと強く抱きしめられる
汐恩『A、
俺な、
あかんかったわ。』
顔を私の肩に埋める。
汐恩の肩が震えていた
「…。」
本気で頑張ってきた汐恩を知っているからこそ、
すぐには言葉が出てこなかった
それから何時間も、
汐恩は
たくさん泣いて、
泣いて、
何度も何度も
悔しい。
と言った
どれ程強い想いで韓国に来て
険しい道に挑んでいたのかが
痛いほど伝わった
私は
そんな汐恩以上に泣いて
ずっと汐恩をぎゅーっと抱きしめていた。
気づけばもう夜中の2時を過ぎていた
汐恩『俺らどんだけ泣くねん笑』
汐恩が真っ赤な顔でふにゃっと笑った
「ふふっ ほんまやで。どーしてくれるねん笑」
汐恩『俺が泣くんは分かるやん。
なんでAが俺より泣いてんねん。笑』
といいながら泣いて腫れた私の顔をぶにゅっとつかむ汐恩
汐恩『今のAの顔、酷いなぁ〜笑』
「ひどい！！」
私の顔を見てケラケラ笑う汐恩の顔を同じようにぶにゅっとして
「汐恩も人のこと言われへんで？笑」
私もやり返して2人で笑い合う
泣きすぎて疲れたのか汐恩がベッドにボブっと飛び込んだ
汐恩『こんな姿Aに見せたくなかった最悪やー！』
ふざけて枕に叫ぶ汐恩はスッキリした表情で少し安心した
私も汐恩の隣にボブっと飛び込んで
向き合って寝転がる
汐恩の髪を撫でていると
泣き疲れたみたいで、汐恩がすぐに眠った
「お疲れ様でした。」
汐恩に小さな声で言った
そのままそっとくっついて
気づけば私も眠ってしまっていた。
目覚めて時計を確認するともうお昼過ぎで
急いで帰る準備をして2人で空港に向かう
ゲートの目の前まで見送ってくれた
…正直、このまま1人にしたくないし
もっと一緒にいたい。
汐恩『A顔パンパンやで笑』
「汐恩もやん笑」
お互い、ちょっと寂しそうに笑い合った
汐恩『日本着いたら連絡してな』
私の髪をくしゃくしゃっとしてニィッと笑う汐恩に
私は満面の笑みで
バイバイ！！と言って飛行機に乗った。
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luvchim(プロフ) - 初めまして。結末を知っていても、何度読んでも涙で前に進めません。とっても良いお話をありがとうございます。何度も読み直してます。大好きなお話の一つになりました。ありがとうございます！！ (2021年1月19日 16時) (
レス) id: 1634567e36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：s.a.o | 作成日時：2020年4月2日 2時
