心配事 ページ36
ようやく会えるようになったのは
あの報道が出てから約半年が過ぎてからだった
桜が散り
少しずつ夏に近づいてきたこの時期の夜は
気温がちょうど良くて気持ちいい
夜の道を汐恩と2人で歩けたらな。とふと思う
でも
部屋の中でしか会えない。
それが一番、安全だから。
ーーﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ.
汐恩『ごめん遅なった、久々やな』
「うん、大丈夫。はいって」
周りを確認してすぐに部屋に通す
ドアや窓の鍵をかけて
全てのカーテンが閉まっているかを確認する
汐恩が来る日はこれが欠かせなくなった。
汐恩『あー練習めっちゃつかれたあ〜』
荷物をソファーにドサっと置いて
キッチンで料理をする私を後ろから抱きしめた
新曲のダンスがかなりハードらしく
最近は毎日のように朝から晩まで練習三昧で
ご飯を食べ終わるとすぐにソファーで眠ってしまった
あの報道が出てからしばらくの間は活動出来ない状況が続いていたが
いつの間にか世間は忘れていった
今はJO1の活動も報道が出る前となんら変わりなく順調にいってるようで、本当に安心した
「…寝顔かわい」
汐恩は
あれからかなり痩せた
ここ半年の間
きっと相当なストレスだっただろうし
いつも強気で前向きな汐恩だからこそ
弱音を見せないようにずっと気を張って
無理していたんだろうな、
スースーと寝息を立てて眠っている汐恩の頬をなでる
あ、
明日も朝から練習あるって言ってたっけ
毎日練習で疲れてるよね。
ちゃんとご飯、食べてるかな
ちゃんと眠れてるかな
会えない日が続く分、心配事もたくさん増えた
もう少し眠らせてあげたいけど早く帰らないと
怪しまれちゃうかもしれない。
「…っほら！汐恩、起きて。そろそろ時間！」
汐恩『…んー、 何時？』
「23時過ぎたで。明日も朝からやろ？早く帰って寝んと。」
汐恩『…嫌。泊まる。おやすみ。』
とふざけてまた私の膝の上で眠ろうとする汐恩の頭をコツンと叩く
汐恩『いった！笑 わかったわかった笑
…じゃあ。Aまたな！』
玄関の前で振り向いてくしゃっと笑いながら
私の髪をいつものようにくしゃくしゃ撫でる汐恩にニコッと笑顔を向けた
数週間ぶりに会った汐恩今日もカッコよかったなぁ
なんて思いながらゆっくり湯船に使っていると
〜ﾋﾟﾛﾝｯ♪
スマホが鳴った
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luvchim(プロフ) - 初めまして。結末を知っていても、何度読んでも涙で前に進めません。とっても良いお話をありがとうございます。何度も読み直してます。大好きなお話の一つになりました。ありがとうございます！！ (2021年1月19日 16時) (
レス) id: 1634567e36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：s.a.o | 作成日時：2020年4月2日 2時
