あとで ページ20
「なに？」
汐恩『あとで連絡するわ』
「え、今連絡できないんじゃ…」
私の言葉を最後まで聞かずに
ニィッと笑って
そのまま走っていってしまった
.
次の日
大学に行くと
いつもは眠たそうに隣に座る莉子が
凄い勢いで私の方に走ってきて
キラキラした目で私を見つめる莉子
莉子『A〜！昨日どうだった？！
練習生ってやっぱ画面よりかっこいいの？！
てか瑠姫君デビューできたよかったぁ(泣)』
「おはよ。笑 朝から凄い勢いだね笑」
莉子『今日は聞く為に来たようなもんよ』
「はいはい笑
これまで色々苦労してきた甲斐があったと思う
…デビュー出来て良かった。」
莉子『…なんか、A身内みたいな反応笑』
「え…そう？笑」
莉子は意外と鋭い
動揺してうまく笑えないのを隠すように咳払いをした
莉子『あーでもこれでやっっと安心して推せる！
デビューしたメンバーはこれから色んなメディアに出てくれるだろうし楽しみだな〜』
「…たのしみ」
.
ファイナルの日からずっと
汐恩と少し話せたあの時間が夢だったんじゃないかと感じていた
「…あとで連絡するって、いつなのかなー」
あれ
そもそも連絡出来ないんじゃなかったっけ？
「…あ、そっか
オーディション終わったんだ」
だけど、
それから1週間、2週間、1カ月とどんどん時間は過ぎていき
デビュー日が過ぎても
一向に汐恩からの連絡はこなかった
その間にも
グループとしての動きは沢山あって
SNSでJO1の公式アカウント、ファンクラブが開設されたり
色んな動画も公開されて
JO1になった汐恩をスマホ画面で見ながら
やっぱり、あの日の事は夢だったんだと
自分に言い聞かせるようになっていた
ーーーーー
「いらっしゃいませ〜！お客様何名様でしょうか？」
「はい！お伺いいたします！」
「お待たせいたしました。こちらが…」
この気持ちをどうにか上手く紛らす為には
勉強とバイトに勤しむしか方法が分からなかった
リョウ『A今日も一緒に帰ろ』
バイト終わり
同じ大学で二つ年上の先輩
リョウさんに声をかけられた
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luvchim(プロフ) - 初めまして。結末を知っていても、何度読んでも涙で前に進めません。とっても良いお話をありがとうございます。何度も読み直してます。大好きなお話の一つになりました。ありがとうございます！！ (2021年1月19日 16時) (
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作者名：s.a.o | 作成日時：2020年4月2日 2時
