ズルイ嘘 ページ40
汐恩『…ちょっと、待って？
…は？
…嘘、やんな？』
「…嘘じゃ、ない」
真っ直ぐ私を見る汐恩の目に
涙が溜まっていくのが分かった
私が、そんな表情にさせてしまっているのか。
胸が押しつぶされるように苦しい
汐恩『…別れたい、理由は？』
「…報道された後からずっと考えてて
本当はもっと前に話そうと、思ってた」
汐恩『…。』
「…報道されてから、部屋の中でしか会えないし」
どうしよう
「会える…時間も、少ないし」
涙が
「…友達に、彼氏を紹介することも、出来ないし」
止まらない、
「…だから、 汐恩『そんなん、泣いて言われても納得できるわけないやん』
汐恩『それに
そんな事Aが思うような子ちゃうって
俺が一番知ってる』
汐恩『もし、ほんまに今言った事が不満なんやとして
も別れんくてもいいように2人でちゃんと話し合っていけば…
「もう、疲れた」
「もう、アイドルの彼女でいるのが疲れたから」
私は
汐恩が何も言い返せない事を知ってて
わざと
最低で、最悪の
ズルイ嘘をついた
汐恩『……っ、
でも、俺はっ、…
……おれが、Aがおらんと、あかん』
汐恩は
鼻と耳まで真っ赤にして大粒の涙を流しながら
ぎゅっ…と
強く、強く 私を抱き締める
見た事ないくらい余裕が無くて
必死な汐恩
私の為にこんなにも泣いてくれる汐恩
汐恩『…俺の事、好き？』
私は、
そんな汐恩が大好き。
.
大好きだよ、汐恩
.
.
.
「……もう、好きじゃ、ない。」
汐恩『……A、』
.
汐恩の腕をそっと外して
汐恩の顔を真っ直ぐ見つめる
「…汐恩はこれまで、沢山努力して
JO1っていう、大きい夢を掴んだやろ？
私は、
JO1が今よりもっと大きくなって
汐恩がキラキラ輝く世界が見たい。
…それが、今私が一番望んでる、未来」
ベンチから立ち上がって
もう一度、汐恩の顔を見て
「…汐恩ばいばいっ！」
涙でぐちゃぐちゃな顔のまま
とびっきりの笑顔で笑った
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luvchim(プロフ) - 初めまして。結末を知っていても、何度読んでも涙で前に進めません。とっても良いお話をありがとうございます。何度も読み直してます。大好きなお話の一つになりました。ありがとうございます！！ (2021年1月19日 16時) (
レス) id: 1634567e36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：s.a.o | 作成日時：2020年4月2日 2時
