SAOサバイバー、審神者になる。Episode3【SAO】【刀剣乱舞】

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どこからが夢でどこからが現か？

そんな疑問にはきっと、答えなんてない。

考え抜いた先にある納得、諦め、思考閉鎖、

それが全ての答えなんだよ。



傷の痛みを背景に優しい記憶を夢で描く。

夢の中の主君は変わらない姿で縁側を背に笑っていた。

僕は首を傾げるだけで立派な返事も何も出来ない。

あのとき何と言えば良かったのかわからないまま、今日の僕も、夢の中で首を傾げた。



夢で背景だった痛みは起きてからもずっと景色の背後にある。

首を不自然にひねったまま僕の意識は浮上した。

兄弟たちがまだ眠る時刻。

起きることそのものに体力を使うため、昼間はほとんど眠る兄弟や、眠ることに力を使う故に起き続ける兄弟がいる。

昨日は新しい審神者を迎えたため揃って全員起き出していたが、やはりというか何というか、皆は気力の限界を超えてから気絶するように深く寝入った。


眠ることは回復すること。

そう教えられた秋田藤四郎(僕)は実際に眠ることで回復する。


主君に創られ、主君から贈られた身体を持っているから、主君の思考に引きずられる。



主君がそう教えていた。
主君自身がそう思っていた。


その思考が伝播する。

たとえ今、主君が本丸(ここ)にいなくても、審神者が何代代わっても、僕が認めない限り僕の主君は変わらない。


かつて主君は僕に丁寧に教えてくれた。


刀剣男士は顕現された人間に思考回路が引き摺られる。

それが個性になるんだよ、と。


僕の主君は聡明で涼やか。

それなら僕も聡明でありたい。



襖の隙間を覗いたら、久しぶりの日光が庭を明るく照らしていた。

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