けまけましい君が (ページ4)

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けまとめくんが4匹ページ4

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放課後。お夕飯作りまでまだ時間があったから図書室に寄った。借りた本返さなくちゃ。

『失礼しまーす』

「Aさん」

『雷ちゃん』

そこにいたのは五年生の不破雷蔵くんだった。そっか彼、図書委員会か。

「どうしたんですかAさん。あ、本の返却ですか？」

『そう。これ』

私は抱えていた本を雷ちゃんに差し出した。ここの生徒じゃない私は本当は本を借りたら駄目なんだろうけど、私があまりにも本の虫だから中在家くんが借りるのを許可してくれたんだ。

『中在家くんは？』

「まだ実習から帰ってないんじゃないですかね」

あー確かにさっきけまとめくんも今日の午後は実習だって言ってたなぁ。中在家くんと本の感想を語り合いたかったんだけど。

『そっかあ。分かったありがとう』

そう雷ちゃんに告げて図書室から出ようと扉を開けると目の前にけまとめくんが立っていた。

『びっ……くりしたー』

「俺も驚いた……」

目を見開いてこっちを見下ろすけまとめくんに笑いが込み上げてくる。まあ扉開けようとしたら勝手に開くの怖いよね。

『どうしたの？何か用事？』

「事務員の小松田さんが探してたぞ。Aに実家から箱が届いたって」

『箱』

何か分からないけど小松田さんのところにそれがあるなら早く取りに行かなきゃ。何されるか分からん。

「あの大きさなら多分林檎じゃないか」

図書室を一緒に出たけまとめくんが言った言葉に私はぴくりと反応した。

『ちょ、ごめんけまとめくん。私小松田さん探してくる！！また後でね！』

「おー。気を付けろよー」

けまとめくんの声を背に私は走り出す。もし林檎だったら大変だ。彼のへっぽこは折り紙付き。私の愛する林檎に何かあったらどうしよう！